セルフコンディショニングのポイント

ストレッチ

セルフコンディショニングという言葉を聞いたことはありますか?
selfとconditioningを組み合わせた和製英語であり、セルフコンディショニングは、自分自身で身体を管理し、メンテナンスを行なうという意味の言葉です。ここでいう身体とは、肉体だけでなくこころ、メンタルヘルスケアも含まれています。自身のコンディションを整えるには、カラダだけでなくココロも健全でなければいけません。こちらのコラムでは、セルフコンディショニングにはどのような方法があり、どのような効果が期待できるかをご紹介します。

 セルフコンディショニングの重要性  自律神経を整える 肩こりにも効果的 座り疲れや腰痛にも効果的 まとめ

セルフコンディショニングの重要性

メンタルヘルスコンディショニング講座:テキスト3<1章>:自律神経系の医学的役割

近年セルフコンディショニングはますます重要視されています。なぜセルフコンディショニングは重要視されているのでしょうか。セルフコンディショニングが重要な理由は、日頃から自身の体調に気遣い、管理していくことで深刻なココロとカラダの不調を未然に防げるからです。

例えば、一流のアスリートは、勝負の場面で自分のコンディションを最高の状態に持っていくために、トレーニングやメンタルケア、体調管理を行い、自身のパフォーマンスを保つための細かなルールを課していることをご覧になったことがあるかもしれません。日頃から身体を鍛え、気を配っていくことは非常に重要です。

とはいえ、私たちのほとんどは一流のアスリートではありませんし、身体を鍛えることが仕事というわけでもありません。忙しい毎日を送っていると、ついつい不規則な生活に陥ってしまうこともあります。

不規則な生活から身を守るには

セルフコンディションができていないと、身体のどこかに変調をきたすものですが、体調を崩す直前には、なんだか身体がだるい、いつものように頭が働かないなど前兆を感じることがあるかと思います。小さな不調を感じた段階で自分自身である程度ケアを行い、対処することができていれば、症状が重度に進行するのを避けることができます。また、自分自身でココロやカラダの状態を常に整えることで良い状態が保てるため、結果的に身体全体の能力を向上させることにも繋がります。身体のパフォーマンスを良くするために、セルフコンディションに気を配ることが大切になってくるのです。

セルフコンディショニングで自律神経を整える

深呼吸
セルフコンディショニングの基本は自分の身体の変化に気づくことから始まります。季節の変わり目や老化などによるわずかな不調など、自分自身のココロやカラダと対話する習慣をつけるようにしましょう。
またセルフコンディショニングに気を配る上で自律神経の乱れを整えるよう気を配ることも大切です。自律神経とは呼吸、発汗、排泄など私たちの身体の機能を調整してくれる器官であり、毎日美味しくご飯を食べることができ、快適な睡眠を取れるのは自律神経が正常のバランスを取ってくれているからなのです。自立神経には交感神経と副交感神経があり、これらは車のアクセルとブレーキのような働きをしています。自律神経が乱れることで、身体のコントロールが崩れ、身体が重くやる気が起きないことや、興奮して寝付けないなど身体の不調につながることがあります。

セルフコンディショニングを行い、自律神経を整える方法をいくつかご紹介します。

深呼吸をして、息を整える

緊張してドキドキしてしまう、ストレスで息が浅くなってしまったなどの経験はないでしょうか。
過度のプレッシャー等で神経が高ぶることで、私たちの身体の中では自律神経が乱れ、交感神経が優位な状態になります。交感神経が優位な状態は、身体が緊張し、高ぶった状態であり、状態が長く続くことは身体に負担をかけ続けていることになります。私たちが意図的に自律神経をコントロールすることは非常に難しいことですが、呼吸を整えることで強力に自律神経に働きかけることが可能です。緊張して眠れないとき、焦って余裕がないと感じたとき、意識してゆっくりと深い呼吸を行ってみてください。身体の中に酸素が多く取り込まれることで、代謝や血流をあげる効果もあります。

ストレッチを行う

セルフコンディショニングにはストレッチなどの軽い運動も効果的です。ストレッチを行い、ゆっくりと身体を伸ばし、筋肉をほぐしていくことで身体の状態を把握することも可能なります。就寝前や起床時のストレッチは普段運動を行わない方でも手軽にできるセルフコンディショニングとなります。

肩こりに効果的なセルフコンディショニング

メンタルヘルスコンディショニング講座:テキスト3<1章>:自律神経系の医学的役割

肩こりに効くストレッチは、立っていても座っていてもできます。仕事で1日パソコンを扱っている、重い荷物を持たなければいけないなどの心あたりのある方は、合間に下記の運動を加えてみるとよいでしょう。

  1. 伸ばしたい肩の上に反対側の手を置き、肩が挙がらない様に押さえておきます。
  2. そのままゆっくりと頭を反対方向の斜め前に倒し、後頭部から肩先までの肩の筋肉が伸びているのを感じます。
  3. 余裕のある方は、肩の上に置いた手を頭の側面に置いて、頭の倒れる方向をリードしてみてください。より伸びるのを感じます。
  4. さらに伸ばしたい方は、伸ばしている方の腕をカラダの後ろに隠す様に、腕を腰の後ろに置きます。よりいっそう伸びるのを感じます。
  5. 呼吸に意識を向けて、息を吸った時に伸ばしている筋肉が伸びるのを感じ、吐いた時に筋肉が緩むのを感じます。反対側も同じように行います。肩こりだけでなく顔の血色が良くなったり、頭に血液が流れて酸素が届いてスッキリします。

座り疲れや腰痛に効果的なセルフコンディショニング

長時間にわたり同じ姿勢をとると、カラダに疲労が生じます。例え座っている姿勢でも、体側や腰、脚の付け根などに疲れを感じます。それらの疲労を解消するストレッチを紹介します。

  1. 椅子に浅く座り、足を腰幅に開きます。
  2. 一方にカラダを捻り、そちら側にある脚の外側に上半身を倒します。無理のない範囲で上体を倒してください。
  3. 頭や首の後ろを脱力します。倒した方と逆側の体側や腰、股関節周辺が伸びるのを感じます。
  4. 呼吸に意識を向けて、息を吸った時に伸ばしている筋肉が伸びるのを感じ、吐いた時に筋肉が緩むのを感じます。反対側も同じように行います。 骨盤周りの無駄な緊張が取れ、体液循環が良くなり、軽くなるのを感じます。

いずれのストレッチも5回程度を目安につづけていくことが大切です。硬くなった筋肉をほぐすストレッチには、血行を整えるだけでなく、歪んだ身体のバランスを整え、骨盤等を正常な位置へ戻してくれる効果があります。ストレッチには特別な準備や道具は必要ありませんので、まずは気づいたときに行ってみるものよいでしょう。

セルフコンディショニングを行い、自分の身体や心の不調をケアし、良い状態に保っていくためには、呼吸法やストレッチだけでなく、毎日の生活習慣にも気を配ることが大切です。睡眠や食事など、普段の生活の中で不規則になりがちな項目となりますが、できる限り気を配っていくようにしてみてください。

最近では、ヨガやピラティスなどを通してセルフコンディショニングのやり方を教えるスタジオも増えてきました。自分一人で行うのは苦手だという方はそういったスタジオの手をかりることも賢いセルフコンディショニングです。セルフコンディショニングは、身体を鍛えることが目的ではありませんので、きつくなりすぎないエクササイズを毎日続けることをお勧めします。

セルフコンディショニングまとめ

ストレッチ
セルフコンディショニングを行う大きなメリットは、自分のココロとカラダを常に良い状態に保つことができることが挙げられます。自分に気を遣っている分、ちょっとした体調変化に気づきやすくなり、早期発見・早期治療につながる可能性があります。また、姿勢を正し代謝を上げる効果も期待できるため、ダイエットしたい方や健康寿命を長くしたいという方にもおすすめです。
ビジネスパーソンとして外で働く方の中には、仕事や家庭のこと、周りの人々との関係などについて悩んでいる方も多くいらっしゃいます。様々なトラブルは疲労やストレスといった形で私たちの身体に溜まっていきます。こわばった身体を解消するために人の手をかりることも有効な手段ですが、セルフコンディショニングとして自分で行うことで様々なメリットを得ることが可能です。

ココロとカラダのケアを行っていくセルフコンディショニングは、健康に生きるうえで非常に有効な手段です。自分自身のもつ能力を最大限に発揮するためにもセルフコンディショニングを行い、不調には細かく対処していくスキルを身に付けていきましょう。

記事 メンタルヘルスコンディショニング講座講師・佐々木幹

佐々木幹

佐々木幹メンタルヘルスコンディショナーⓇ

投稿者プロフィール

株式会社スマイルエデュケーション3代表取締役

大手民間スクールで約30年間スクール経営に携わり、販売マーケティングを皮切りに、商品開発室、教務室、学務室、通信教育センターの各部門責任者を歴任

現在は、自身が企画したメンタルヘルスコンディショニング通信講座の資格(メンタルヘルスコンディショナー)を取得し、「Live」「Love」「Smile」をかけ合わせた造語『LiLoveS』をコンセプトとしたハッピーライフカウンセリング協会と、学ぶすべての方の笑顔を目指すSmileCom(スマイルコム)のスクール運営を行う一方で、当サイト(メンタルヘルス情報サイト)の記事執筆を手掛けている。

メンタルヘルスコンディショニング講座はコチラ
https://smile-learn.com/product/

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コメント

    • 文ちゃん
    • 2019年 3月 01日

    ストイックな性格なら1人でも体を動かすのは楽しみそうだけど、
    運動するのが億劫な人や運動が苦手な人は健康のためだったとしても、
    1人で運動やっても楽しくないから、何か強力な目的が必要ではないでしょうか。

    • 佐々木幹
      • 佐々木幹
      • 2019年 5月 13日

      文ちゃんさん

      投稿ありがとうございます。
      おっしゃるとおりで、競技会で発表する!とかダイエットして結婚式を迎える!など強い動機がないと、なかなか1人では定期的な運動習慣とか身につかないですよね。私も運動をあまりしない人間です。

      ただ運動とは言えませんが、「朝起きて伸びをした時、意識的に2分間ゆっくり呼吸する!」とか「いつも通勤している道を意識的に変えて、少しだけ遠回りして景色を楽しむ。」とかなら意外と続きますよ。もしよろしければ、少し試していただけたらと思います。

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