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自律神経を整える呼吸法
- 2019/1/25
- メンタルヘルス 心の症状
- 4 comments
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、互いに相反する機能を持ち、意思とは関係なく、身体を正常な状態に保つように調整している非常に重要な神経系です。自律神経の働きについてなど、詳しくはこのサイトの別記事をご覧ください。
・メンタルヘルスと自律神経について
・男女の更年期障害と自律神経の関係
自律神経が乱れるとどんな変化があるのか | 自律神経を整える呼吸法 | ボディリズム®呼吸法を知る | ボディリズム®呼吸法を学ぶ |
自律神経が乱れるとどんな変化があるのか
最近、雑誌やテレビ番組などのメディアで自律神経について取り上げられることが多くなりましたが、自律神経の活動が乱れてしまうとどんな変化があるのでしょうか?
かつて日本では「自律神経失調症」という言葉が頻繁に使われてきましたが、国際的な病名分類等で明確に該当するものがないなど、様々な理由で診断名として、現在ははあまり使われなくなってきているようです。
「自律神経失調症」という病名については東北大学加齢医学研究所(IDAC)のウェブページに記事がありますので、ご興味のある方はお読みいただくのも良いでしょう。
自律神経失調症という病名はありません
また、東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科のホームページでは、感覚症状や精神の疾患である神経症やうつ病と自律神経症状との違いを説明しています。このような情報を知っておくことも自律神経症状の理解に役立つのではないかと思います。
東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科のホームページ
一般社団法人 日本女性心身医学会のホームページでは「自律神経失調症」について次のように説明しています。
“自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた時に生じる病気です。頭痛、めまい、口の渇き、倦怠感など症状は人によって様々です。検査に出る出ないに関わらず、多彩な身体の症状が出てくることや良くなったり悪くなったりを繰り返すことが特徴です。イライラや不安などの精神症状を伴うこともあります。
自律神経失調症の原因を大きく分類すると身体の内部と外部に分けられます。ストレスに弱い体質や性格(几帳面、心配性など)、男性・女性ホルモンの乱れは身体の内部から自律神経症状を引き起こします。一方、仕事や家庭でのストレスは身体の外部からの原因となります。“
一般社団法人 日本女性心身医学会のホームページ
また、香川大学医学部医学教育学講座 岡田 宏基先生は一般社団法人日本心身医学会のコラムで次のように書いています。
“何らかのストレス状態が続いた場合は、自律神経系や内分泌系(ホルモン)の作用に歪みが生じて、様々な症状が現れてきます。”
他にも、「医学的に説明できない症状」、英語ではMedically Unexplained Symptom(MUS)についても紹介されています。MUSの概念は日本ではまだそれほど広まっていないのですが、海外、特にヨーロッパではMUSについての研究が盛んに行われており、その頻度や治療法などについて、数百もの論文が出ているそうです。
一般社団法人日本心身医学会コラム
このような情報を総合していくと、「自律神経機能の異常はストレスとホルモンに関連しており、非常に様々な症状として出てくる」ということになりそうです。
では、そのような症状で通院している方はどのくらいいるのでしょうか。古いデータですが、厚生労働省では「平成10年 国民生活基礎調査 性・傷病別にみた通院者率」として、平成7年、平成10年のデータを公表しています。そこで「自律神経失調症」として通院している方は人口に対し、平成7年で0.54%、平成10年で0.62%となっています。「自律神経失調症」と診断名をつけるのが難しいようなので、自律神経活動の異常を訴える方の数を正確に反映しているのかはわかりませんが、増加傾向にあることが伺えます。
・平成10年 国民生活基礎調査 性・傷病別にみた通院者率(人口千対)
・最新データ:平成30年 国民生活基礎調査
※性・傷病別にみた通院者率(人口千対)は31ページに掲載
自律神経を整える呼吸法
様々な症状を呈し、診断名も付きにくく、医学的な説明も難しいが、ストレスの多い現代社会で確実に人々を苦しめている自律神経活動の乱れ。どうしたら改善ができるのでしょうか?
東邦大学医療センター佐倉病院脳神経内科がホームページで伝えているように、まずは精神の疾患等、診断がつく疾患があればその治療が優先になります。そのような疾患がなかったり、未病の状態で予防の観点から取り組めることもいくつかありますので、そのうちの一つを紹介します。
自律神経やセロトニン神経・前頭前野の研究で知られる東邦大学名誉教授 有田 秀穂先生は脳科学の研究で様々な成果を出されていますが、自律神経を整え、セロトニン神経を活性化するメソッドとしてボディリズム®呼吸法の監修をされています。
“宮浦さんの開発した「ボディリズム®」は、このセロトニンの活性化に必要となる呼吸とリズム運動をオリジナルの音楽を使ってエクササイズ化したもので、医学的検証の結果、セロトニンを持続的に活性化するものであることが分かりました。誰もが親しみやすく質の高い呼吸法が習得出来、人生の新しい可能性を引き出してくれる「ボディリズム®」は、繰り返し続けることの難しかった今までのメソッドの欠点を補った、新しいものであると言えるでしょう。”
一般社団法人日本ボディリズムマネジメント協会ホームページより
音楽家 宮浦 清氏が開発したボディリズム®呼吸法は音楽を用いることでその効果が最大限に発揮できるように設計されています。リズムの重要性を考案者の宮浦氏は次のように伝えています。
“ボディリズム®とは新しい呼吸法の考え方です。リズムにのって生活すると自分のリズムが生まれます。自分のリズムが出来て初めて他人のリズム、自然のリズムを感じられるようになります。”
一般社団法人日本ボディリズムマネジメント協会ホームページより
現在、ボディリズム®呼吸法は自律神経を整え、安定した心身の状態を維持するための効果的で簡便なメソッドとして、代表理事 藤田 友佳子によって、個人の健康づくりのみならず、企業の生産性を高める「健康経営」にも取り入れられ、様々な場面で普及がはじまっています。
ボディリズム®呼吸法を知る
専門家が研究の知見と知識を結集して作り上げたボディリズム®呼吸法ですが、「1日1分 自律神経を整える呼吸CDブック」として、誰でも気軽に取り組めるパッケージとして市販されています。このCDブックには10種類の呼吸法が目的別に掲載されているため、ストレス場面などに応じて実践することができます。また、特徴である「音楽のリズム」に合わせるための楽曲と解説がCDに収録されているので、すぐに実践することができます。長時間の行うのではなく、長期間行うことが効果的なボディリズム®呼吸法は毎日わずかな時間を作ることで自律神経調整に役立てることができます。
「1日1分 自律神経を整える呼吸CDブック」
出版社: マイナビ出版 (2016/10/20) ISBN-10: 4839961018
著書:宮浦清 ボディリズム呼吸法考案者
監修:有田秀穂 東邦大学医学部名誉教授 セロトニンDOJO代表
制作協力:藤田友佳子日本ボディリズムマネジメント協会代表理事
ボディリズム®呼吸法を学ぶ
本格的に呼吸法を学びたい方は、呼吸法を習慣化し、セルフケアをマスターする「ボディリズム®呼吸法」の受講をお勧めします。「1日1分 自律神経を整える呼吸CDブック」に掲載されている呼吸法をマスターするとともに、WINフロンティア株式会社の自律神経測定アプリ「COCOLOLO」の使い方や日々の測定習慣も身に付けることができます。
COCOLOLOについては公式サイトをご覧ください。無料で利用ができます。
キモチをはかるCOCOLOLO公式サイト
また、自律神経を整える呼吸法を伝えるインストラクターを目指したい方はインストラクター講座の受講もできます。インストラクター講座では、自律神経について詳しく学べることができ、定期的な勉強会に参加することで、最新の知識も得ることができますので、自身の健康づくりや社会へのアプローチに様々な可能性を見つけていくことができます。
自律神経を整える方法としては様々な方法が公表されていますが、科学的に検証され、手軽に始めることができるボディリズム®呼吸法から取り組んでみてはいかがでしょうか。
一般社団法人日本ボディリズムマネジメント協会ホームページ 講座案内
記事 メンタルヘルスコンディショナー・白石真樹
コメント
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何事も冷静になることは重要ですよね
匿名希望さん
投稿ありがとうございます。
はい。緊張・怒り・悲しみ・あせり、等々の場面では、匿名さんが言われるように「冷静になる」ことが重要です。
とっさの場面でパニックになりそうな時は、大きく深呼吸!が大事ですよね。
意識して呼吸することってないけど、呼吸法を工夫するだけで自律神経が整うのであれば挑戦してみたいなぁと感じました。
ボディリズムについてもいろいろ調べてみます!
ちゃまさん
投稿ありがとうございます。
意識する事!超重要です。
ぜひ、意識して腹式呼吸をやってみてください。必ずいい感じになると思います。
1日数回、意識してお腹をへこませるだけで、かなり効果的なダイエットになる、という話もよく聞きます。