カラーセラピーとは
- 2017/11/5
- ストレスについて
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皆さんは、カラーセラピーというものをご存知でしょうか。カラーセラピーとは、色彩を用いた心理療法です。近年ではカラーセラピストを目指す人が増えてきているといわれています。カラーセラピーの注目すべきポイントとしては、数多くある色の中で自分が無意識に選んだ色には自身の性格や心身の状態が反映されていたり、自分が好きな色や効果的な色彩を生活に取り入れることにより心や体を元気にする働きがあったりするということです。
カラーセラピーには、色を媒介にして自分自身の深層心理を読み取ることができたり、なりたい自分や望んでいる生活へと導いてくれたりするといった魅力的な効果があります。今回、精神的にも身体的にも効果をもたらすカラーセラピーの色彩が持つ効果と、それによってもたらされる人間の自己治癒力についてご紹介していきたいと思います。
カラーセラピーとは
カラーセラピーとは、人の心と体に深く働きかける色彩の効果を用いて、安らぎを与えたり心身のバランスを整えたりして状態の改善をはかる治療法で、色彩治療法ともよばれています。カラーセラピーの歴史は非常に古く、エジプトや中国など古代文明の時代から、病気の治療や苦痛を和らげるために利用されていたという記録が残っているほどです。
私達のまわりには日常的にたくさんの色が溢れていますが、その色彩によって明るい気持ちになったり、寂しい気持ちになったり、傷ついた心が癒されたり、時には不快になる事もあると思います。カラーセラピーで用いられる療法のなかで、ひとが無意識に選ぶ色には、自分の内面を見つめ直すメッセージが込められているといわれており、自分が必要としているものを映し出しているそうです。
たとえば精神的につらい状態にあるとき、無意識につらい感情をはき出すことができる色を選ぶといわれています。それは、絶望的な黒だったり、涙をあらわす青色だったり、あるいは怒りをあらわす煮えたぎるマグマのような赤色の場合もあります。逆に、心が幸福感に満たされた状態のときには、それを増幅させることのできる色を選びます。情熱的なハートの赤色であったり、桜の花吹雪が舞うようなピンク色であったりします。
どのような状況や色であっても、無意識のうちに心が心地よい色を選んでいるとカラーセラピーの中では説明されています。そして、選び出された色をもとに、そのひとが抱えているストレスを汲み取って、解消するために最適な色彩を提案することもカラーセラピーです。周知のとおり、人は感情がマヒしたりうまく感情を表現できなくなったりすると、大きなストレスを感じてしまいます。ストレスは放っておくと心や体に様々な障害をきたし、深刻な病気の原因を生み出すことになります。カラーセラピーは、色を通して感情を表現することで、心にたまったストレスを上手にコントロールして、解消するための癒しの治療法であるといえるでしょう。
色がもたらす効果とは
カラーセラピーを行なうにあたり、選ばれて使用する色が私たちの身体にもたらす効果には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。人の体調に大きく作用するのは自律神経といわれており、自律神経は心臓の働きや血流をコントロールし、すべての内臓・全身の血管・分泌腺を支配しています。自律神経には、活動するための神経の「交感神経」と、休息するための神経の「副交感神経」の2つがあり、必要に応じて切り替わって働いています。
暖色系の色(赤や黄)は交感神経を刺激して心身を活動的な状態にし、寒色系の色(青や紫)は副交感神経を刺激して心身を休息する状態にするのが、実証されています。また、医学的な実験でも、青色は血圧を下げ、脳波にも影響を及ぼしているのが明らかになっているという事実があるようです。
さらに古代文明においても、古代エジプトの寺院では病気の治療のために、それぞれ違う色の日差しが差し込むように調整された部屋が役立てられていたそうです。古代中国でも、患者を紫色のじゅうたんの上に寝かせて、苦痛を和らげるための治療が行われていたと言われています。
なお、カラーセラピーにおいて、女性にとって一番優秀な色がピンクです。その理由としては、ピンクは女性ホルモンに働きかけ、美貌と若さを維持してくれる効果があるといわれているからです。特に柔らかいピンクは、脳の活性化・血行の改善・冷え症の解消で、顔色をよくして肌にハリを持たせるなど、アンチエイジングにも効果がみられるのです。ピンクの色は視覚的にも幸福感を増大させてくれる効果が高いので、ピンクはパーフェクトカラーといっても過言ではありません。
自己治癒力を高める効果的なカラーセラピーを行なうためには、必要だと感じて無意識に選ぶ色を正確に捉えることが重要になってきます。心の状態によって色を選ぶのは、右脳の働きだといわれています。逆に左脳は目的やバランスなど合理性に基づいて色を選ぶので、カラーセラピーのときはできるだけリラックスして、まわりのことは何も考えず、右脳で直感的に色を選ぶことをオススメします。
カラーセラピーの活用方法
カラーセラピーの効果を有効に活用するために、カラーセラピーを日常生活に取り入れていく方法を、いくつかご紹介します。
最初に、自分が長時間を過ごしたり、くつろげる部屋のインテリアカラーについて考えて見ましょう。通常バランスのいいインテリアは、70%の基調色と25%の配合色と5%の強調色だといわれています。基調色はもちろん床や壁といった茶色や白が基調となる場合が多いので、カーテンやソファーなどを配合色として、クッションや調度類を強調色として構成していくといいでしょう。
ここでカラーセラピーが活用できるのは、25%の配合色(アソートカラー)と、5%の強調色(アクセントカラー)になります。たとえばカーテンを選ぶとき、夏はさわやかな寒色系、冬は温もりをかんじる暖色系にすると、誰もが落ち着ける空間になるはずです。また寝室に青色をアソートカラーとして使うと、精神を落ち着け安眠できる空間の演出が期待できます。
ただし、冷え性の人に寒色系は身体を冷やす効果もあるともいわれているので、青はさけてベージュなどの暖色系を用いたほうが良いでしょう。高血圧の人には、赤を用いると血圧を上げる効果があるともいわれているので、暖色系の中でもピンクや黄色やオレンジ色の刺激の少ない淡い色合いのものを選ぶのをオススメします。そのほか、安定した生活や癒しを求めるのであれば、アクセントカラーとして観葉植物やグリーンの家具を取り入れることで効果が得られます。
また数回に一回は普段選ばない方の色を選んでみると心に良い刺激を与え心が循環する場合もあるので、少し生活に退屈などを感じたりしたときにはこのような方法を試してみてはいかがでしょうか。
このように色の持つ意味と効果をきちんと学習し理解すれば、カラーセラピーを幅広く活用する方法が自然と身についてきます。それぞれのライフスタイルの中で、毎日のファッションや口にする食品が自然に発する色彩など、カラーセラピーを効果的に取り入れてみると、人生がより豊かで実りあるものに変わっていくと思います。
今回のコラムでは、簡単にカラーセラピーについて紹介して参りました。カラーセラピーは簡単で手軽に取り入れることのできる心理療法です。ストレスを解消したいとき、新しくなにかを始めたいときなど目的にあわせて色彩の効果を利用すれば、気分を上手にコントロールすることができるのかもしれません。
カラーセラピーの基本は「心が欲するままに色を与え、心が欲するままに色を使う」ということです。カラーセラピーで、もともと人間が持つ自然治癒力を、色によって効果的に高めてくれるのです。
記事 メンタルヘルスコンディショニング講座 講師・佐々木幹
コメント
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色が血行促進とかにも関わっているとは知らなかったのでびっくりしました。
自分は冷え性なので身の回りに暖色系の色を増やそうかなと思います。
なんとなく小さいころから女性らしい色のピンクはぶりっ子っぽいと思って避けていて、いまだに苦手意識があるのですが、女性として良い効果がたくさんある色とのことでびっくりしました。
いきなり身の回りのものをピンクだらけにはできないと思うので、小物などから少しずつピンクのものを取り入れてみたいと思います。