ローボールテクニックって?

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ローボールテクニックという手法をご存知ですか?心理学を利用した手法というのは、社会の中に非常に多く存在していますが、その中でも自分の要求をスムーズに通すための心理テクニックの1つがローボールテクニックです。ローボールテクニックは、ビジネスの場面や、ショッピング、恋愛や友情の人間関係など様々な身近な場面で活用することが出来るテクニックです。では、ローボールテクニックは実際どのような場面で活用され、自分が使用する際にはどのような点に注意して使用すれば良いのでしょうか?詳しくご紹介していきます。

ローボールテクニックってどんなもの?

ローボールテクニックとは、初めに認めてもらいやすい良い条件を出して承諾をしてもらってから、なかなか認めてもらいづらいような良くない条件を付け加えるという要請方法で、日本では承諾先取要請法とも呼ばれる方法です。

これは、自分の行動や言動は一貫したものにしたい、という人間の一貫性の原理と呼ばれる心理を上手く利用したものです。人間というのは、一度要求を受け入れてしまうと、後から条件が変わったからといって撤回することを後ろめたく感じたり、面倒くさく感じたりする生き物であり、それを逆手にとって自分の要求を通すテクニックなのです。同じように、自分の要求を通すための手段として知られるものに、ドアインザフェイスというものがあります。これはまず自分の本当の要求とは違った無理な要求を突きつけて、段々と要求のレベルを下げていくことで自分の求める本当の要求を通しやすくするテクニックです。

また、ローボールテクニックと同じように初めに認めてもらいやすい条件をだしてから、条件を釣り上げていくフットインザドアという手法もあります。この2つの手法は非常に似ていますが、フットインザドアテクニックは最初と次の要求を別の内容にする一方で、ローボールテクニックは、要求の内容自体は最初から変わらず、条件のレベルだけが変わっていくという点で違いがあります。

一度約束してしまったり受け入れてしまったりしたことに対して、後から何か良くない条件が付け加えられたからといって最初から無かったことにはできず、許容範囲を広げて受け入れてしまったということは、誰しも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?これは、人間の心理を上手く利用したテクニックなのです。しかし、追加された良くない条件の内容によっては不満や不信感が高まり詐欺のような感覚を与えてしまうこともあるので、使用時には注意する必要のあるテクニックでもあります。

ローボールテクニックはどういう時に活かせる?

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自分の要求や、頼みごとなどをよりスムーズに受け入れてもらうために様々な場面で使用されているローボールテクニックは、実際どのように活用していけば良いのでしょうか?

まず考えられるものとしてはビジネスでの交渉シーンです。何か取引きをする際に受け入れられ拒否されそうな条件を伝えずに、拒否され難いものから伝えて、相手の承諾を得てから良くない条件を伝えるという方法です。ビジネスの場では、より一貫性の原理が働きやすくなりますので、ローボールテクニックはより有用といえるでしょう。
しかし、重要な取引の場合は相手の心象を悪くしてしまい、取引自体に影響が出ないように伝えていく必要があります。

その他に多く見られるのが、ショッピングの場面です。「50%OFFの看板が立っていて、見てみようと思い見てみると、欲しいものの棚には除外品であることを表示するものが置いてあり、気付かずにレジに行ってしまってから除外品だったことを知ったが、まあいいかと購入することになる…」これもローボールテクニックを利用した例といえるでしょう。また、「車を購入しようとディーラーに行った際、300万円で購入を決めてから、どんどんオプションを提示されてあれもこれもと追加しているうちに驚くほどの値段になってしまう」というのも分かりやすい例と言えます。

買い物などで、初めに安い値段に惹かれて購入などを考え店員さんなどと話をしていると、実際には条件が合わずに高い値段で購入することになるというのは、良くあることです。販売者の方から考えると、上手にローボールテクニックを使用することで、売上を上げることができる非常に便利な手段となります。そして、日常生活でも取り入れやすい手段であるとも言えます。

例えば、欲しいものをおねだりする時や、やってもらいたいお手伝いがある時、実際に拒否されそうな条件はひとまず言わずに依頼して、承諾を得てから条件を付け加えることで受け入れてもらえる可能性が高くなります。恋愛においても、例えばデートにいきなり誘うのではなく、少し付き合ってといって承諾を得て、良ければご飯でもどうかと誘ってみるのも立派なローボールテクニックです。

本当の要求を受け入れてもらうために受け入れやすい情報のみを与えて、それが受け入れられたら本当の条件や要求を提示します。「ずるい」と思われてしまうこともあるかもしれませんが、上手く使うことが出来れば非常に便利な方法なのです。

ローボールテクニックを使う際の注意点

握手 仲間 協力

ローボールテクニックは、普通に考えれば受け入れられにくいであろう要求を上手くスムーズに相手に受け入れてもらえる、非常に有用な心理テクニックです。しかし、最初に要求を提示した段階でその後に良くない条件があることを知っているので、少なからず何も知らない相手を騙すことになってしまいます。

上手くいけばいいのですが、最悪の場合には相手に不信感や不満を抱かれてしまい関係性が悪くなってしまったり、相手がお客様であれば二度と利用してもらえなくなってしまったりするかもしれません。取引先であれば、その後一切の取り引きを出来なくなってしまうかもしれないのです。また、後からだす要求があまりにも条件の悪いものであったり難しいものであったりした場合、いくら一貫性の原則があるといっても拒否されてしまう可能性があります。

では、ローボールテクニックを使用しようとする際、どのような点に注意して使用すればよいのでしょうか?まずは初めの受け入れられやすい要求の提示の際には、あたかもそれが全てであるかのように自然に、分かりやすく提示します。そして、このローボールテクニックを使用するにあたって最も大切なことは、相手に不信感を抱かれるようなそぶりを見せたり、卑怯なやり方だ、騙されたと嫌悪感を抱かせたりしないようにすることです。

そのためには、後から難しい条件を提示する際に申し訳なさを感じているということや、うっかりしていたということを演出する必要があります。自分でも予想していなかった、そんなつもりではなかった、申し訳ない、といった気持ちが相手に上手く伝われば、相手の許容範囲も広がりますし、仕方ないなと受け入れてもらうことができます。

ローボールテクニックを上手く使用するためには、条件の出し方や内容はもちろん、話術や人のよさそうな雰囲気を見せる演技力が必要になるのです。

心理学を利用して、人の行動をコントロールするテクニックは日常生活の中に非常に多く存在します。今回紹介したローボールテクニックも、自分が意図的に行っているかいないかは別として既に使用していたり、使用されていたりするかもしれません。それだけ、心理テクニックの中でも便利で有用な手段なのです。

しかし、実際に少なからず相手を騙すことになるという危険性は孕んでいるので、使用する際には注意が必要になります。また、もし自分がローボールテクニックを使用される側になっていることに気が付いた時には、勇気を持って拒否する勇気も必要になるでしょう。

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