精神疾患の一つであるパーソナリティ障害は、対人関係や衝動的なコントロールなどの偏りから問題が生じるものです。このパーソナリティ障害が一体、どういった症状を持ち、さらに治療法は存在するのかどうか、今回紹介していきます。

パーソナリティ障害とは一体なに?

パーソナリティ障害という精神疾患は、他者と違う反応や行動をおこないその行動や感じ方が多くの人と異なったときに「何故、他の人と自分は行動や感じ方が違のか」と感じることなどから本人が悩んだり、周りの人が困ってしまったりすることなどを指す言葉として使われています。パーソナリティ障害は、物に対する考え方や価値観、感情や人間関係において、これらに偏りが生じている事から問題が生じるものです。

世界保健機構やアメリカの精神医学界の診断基準によると、パーソナリティ障害の定義はその人が属している文化から、期待されるものより大きく偏りをみせている内的体験や持続的な行動パターンで、別の精神障害に由来されないものとされています。そのためパーソナリティ障害は、個性や心理学的なパーソナリティとも性質が異なるため、性格に難があったり、病的なパーソナリティと考えたりするものではありません。

パーソナリティ障害はアメリカの精神医学界では10種類、世界保健機構では8種類のタイプに分けられています。パーソナリティ障害は大きく分類で分類することもでき、アメリカの精神医学界では「A群」「B群」「C群」の3通りに区別されます。

「A群」には「妄想性パーソナリティ障害」「統合失調質パーソナリティ障害」「統合失調型パーソナリティ障害」があるといわれており、「不信感を持つ」「非社交的である」「感情の幅が狭かい」などの特徴あります。

「B群」には、「境界性パーソナリティ障害」「自己愛性パーソナリティ障害」「反社会性パーソナリティ障害」「演技性パーソナリティ障害」があります。その特徴としては、対人関係に不安定で衝動的な行動をとったり、傲慢な態度を見せたり、あるいは反社会的な行動、人から注目を集めるような行動をしたりする事があるような、いわば感情的なタイプをあげることができます。

最後に「C群」には、「依存性パーソナリティ障害」「強迫性パーソナリティ障害」「回避性パーソナリティ障害」があります。孤独を嫌い、他者に依存したり、秩序を保つ事に強く固執したり、自分に対して緊張や不安を抱きやすかったりと、やや内向的なタイプがc郡の特徴です。

パーソナリティ障害は、様々な分類に分かれていますが職場や家庭で兆候が見受けられたり、感情や衝動のコントロール、対人関係などのパーソナリティ機能に支障をきたしていたりするなど、発達期である若い年齢からパーソナリティ障害の兆候がでてくるといわれています。

孤独

 

パーソナリティ障害の特徴とは

パーソナリティ障害と聞いても具体的に、パーソナリティ障害の人がどういった行動や気持ちになるのか、理解しづらい部分もあるのではないでしょうか。パーソナリティ障害に見られやすい症状の特徴としてはまず、コミュニケーションを上手に取れない点にあります。感情のコントロールを上手に出来ないため、すぐに怒ったり不安になったりするのです。対人関係で上手にコミュニケーションが取れない事もあり、人間関係を円満に築きにくいともされています。また、周囲に対して動揺を与えるような行動もしばしばみられます。自傷行為をしたり、自殺のそぶりを見せたりして、周囲に不安感を与えてしまう行動もパーソナリティ障害の特徴です。

またパーソナリティ障害の人は、何かに依存しやすい特徴もあります。例えばタバコやアルコール、あるいは性行為や買い物など、自己や自尊心を損なってしまうような行為に対して強く依存してしまい、自分の意思で止められなくなる事が多いです。時には、精神病に似た症状を引き起こしてしまう例もあります。

他にも、パーソナリティ障害の人は自分の気持ちの持ちかたも通常とはやや異なります。生きていく事に対して辛い感情、違和感を持つ事があり、時には自分自身が一体なんなのかわからないような感覚を抱く事もあるのです。空虚な気持ちになりやすく、なかなか幸せを感じられないというのもまた、パーソナリティ障害の人の特徴でしょう。

 

パーソナリティ障害の原因

なぜパーソナリティ障害が発症するのか、その原因は明確に解明されていません。ただ、遺伝やその人の過ごす環境が大きく関わっているのではないかと考えられています。
遺伝の場合は、生まれ育つ過程の中でパーソナリティ障害となるのではなく、元々持って生まれた。心配症やシャイであったりコミュニケーションをとるのが苦手だったり、する性格が元となってパーソナリティ障害になるともいわれています。

次に環境的な要因についてですが、両親との愛情関係を上手に築けない事、そのほか幼児期に虐待を受けている事など、生まれ育った環境が症状を起こす原因に関係している場合が多いです。幼い時期は、両親との愛情関係を築き上げていく大切な時期です。そこで、上手に関係を育んでいけないと、感情のコントロールを上手く出来なかったり、あるいは自己を確立するのが難しくなったりするのです。

幼少期から常に厳しく接せられており、褒められたり認められたりする事がほとんどないと、親の価値観に沿う形で育ちます。このことによって本人が自己否定感を持つ事が多くなるといわれており、幸せを感じにくくなってしまう人もいるようです。遺伝的な要素もパーソナリティ障害を引き起こす要因として大きいでしょうが、遺伝的なものよりも環境的な要因が、症状を発症させる要素に深く関わっているのではないかとも考えられているようです。

パーソナリティ障害の治療

パーソナリティ障害の治療は、薬物療法や行動療法、精神療法などで行われます。実際に、症状を持つ方への治療は、科学的に有効であると分かり始めている事もあり、さらに高い効果を期待出来る治療法も見つかってきています。薬物療法で投与される薬は、抗精神病薬、例えば抗鬱剤や抗不安薬、感情調整役などが使われます。これらの薬が症状を緩和するのに有効とわかっていて、実際に取り入れられています。ただ、パーソナリティ障害のみ治療していくのではなく、合併症である精神疾患も治療していく事が大切です。

症状を少しでも良くするためには専門医の努力や知識が重要ですが、同じように本人が治りたいという気持ちを持つ事も欠かせません。昔は、なかなか症状に変化が現れないため、長期に亘った治療が行なわれている事もありました。しかし現代においては、年齢を重ねていくのにしたがって、症状が治まっていく傾向にあるといったこともわかっています。加齢に合わせ、継続的に治療をしていく事が、少しでも症状を緩和するのに重要な事となるようです。

周囲はどう関われば良いか

パーソナリティ障害を持つ人は、強く不安や心配、恐怖心を抱いています。本人が周囲に対して疲れさせたり、不安にさせたりするような行動をしてしまうのは、一つの自己表現なのです。そこで、単に煙たがったり、冷たく対応したりすると、本人の症状は一向に良くなりませんし、さらに強い不安を抱き症状が悪化してしまうといったことも考えられるようです。そのため周囲は無理に変えようとしたり、単純に冷たくあしらったりするのではなく、受け入れる事と、理解する事、感情的に接しない事などが必要とされてきます。

パーソナリティ障害の人が周りにいる方は無理に一人で抱え込んでしまうのではなく、専門医に相談して、正しい対応、そして治療についての話を聞くことをおすすめします。受け入れすぎると、振り回されてしまう可能性ももちろんあります。パーソナリティ障害の方と接するときは、すべての要望に応えるようにはせず、適度な距離感を保つ事も時には大切かもしれません

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