家族関係のストレスについて

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前世代までの日本では、家族といえば、2世代3世代が同居する大家族は珍しくなく、お盆や正月には親戚が一堂に会すといった光景がそこかしこで見られていました。地方の山間部では若者が土地を離れ、高齢化や過疎化が社会問題として報じられている現代においては、昔ながらの家族の肖像は、もはや過去の遺産と化してしまったのかもしれません。

それどころか、地方のみならず都市部においても、家庭内での対立や不法行為、身体的虐待、心理的虐待、介護放棄等が恒常的に存在する、「機能不全家族」「家族崩壊」が深刻な事態と称されるようになりました。

このように、家族関係のストレスを抱える人が急増している実態を捉えて、根本に潜む問題を検証しその傾向と対策に焦点を当ててみようと思います。

様々な家族関係のトラブル

ひとことで家族関係のトラブルといっても、「子供の非行」や「夫婦の離婚問題」といった様々な時代背景の中で生み出されたものもあれば、「相続問題」のように時代を超えて脈々と家族関係を脅かし続けてきたものもあります。

ある統計によると、3人に1人の人は、家族間・親族間トラブルで悩んでいる、もしくはストレスを感じているそうです。さらに、その中でも金銭・相続・介護の問題は、家族間の問題の中でも半数以上を占めているようです。これらの問題はいわゆる大人の社会でのトラブルであり、なぜこのような大人が形成されてしまったのか、その生い立ちにも目を向けるべきなのかもしれません。

家族間の問題として「機能不全家族」や「家族崩壊」といわれる家庭内で育った子供の、ストレスによる精神面への悪影響が指摘される場合があります。一般的に機能不全家族とは、子育てや一家団欒、地域との関わりといった、もともと家庭に存在すべきものが、健全に機能していない状態をさしています。このような機能不全な家族内で育った子供は、その環境や考え方を当然であると認識して成長するケースが多く、幼少期の人格形成に重要とされる十分な愛情を得る機会が乏しくなってしまうのです。そのために、自己中心的でプライドが高く、他者への共感や苦しみに対する理解に欠けた無関心な人間になりやすい傾向が生じることになります。この結果、社会と健全な関係を築くことができない大人になってしまうのです。こう考えると、家庭環境こそが、家族関係のトラブルの一因を担っているといわざるを得ません。ただ、間違えてはいけないのは、機能不全家族に生まれ育ったひとが、全て社会不適応な人間になるとは限らないということです。

逆に、たとえ健全といわれる家庭で育ち、社会と良好な関係を築いている場合においても、家族関係のトラブルからストレスを感じている人も少なくありません。そう考えると、問題をより深刻化させるなにかがあるのかもしれません。

次に、家庭内トラブルの特徴を見ていきましょう。

家庭内トラブルの特徴

家族関係においてのトラブルの特徴としてあげられるのは、身内の恥だからという理由から、第三者に相談できなかったり、問題を先延ばしにして回避したり、放置してしまう傾向が強いということです。この種の問題は、放置しておく期間が長くなるほど関係者が増える、親族が代替わりするなどして、問題の修復をさらに難しくなる傾向があります。家族間問題であると軽視することで、大きなトラブルに発展するケースもあります。

このようなトラブルが起こった場合、問題が解決されるまでの間に、当事者の生活が不安定になりがちであり、大きなストレスを抱えることにもなりかねません。ストレスを軽減する観点からも、客観的な判断を仰ぐという意味でも、第三者を介入させることが有効である場合があります。早い段階で専門家に相談することを検討してもよいかもしれません。

家庭内のトラブル原因

家族関係にまつわるトラブルの原因についてのアンケート調査の結果を見てみましょう
(日本法規情報株式会社 法律問題意識調査レポートより)。

トラブルの原因1位は「金銭問題」で27%、2位が「相続問題」で15%、3位「介護問題」で14%です。4位は同率で「仕事(収入・職種・就職・転職等)の問題」が11%、「離婚問題」が11%で、6位は「嫁姑問題」で10%、7位が「病気」で7%、8位が「育児に関しての価値観の違い」で5%という結果です。

以前は相続と介護はセットで存在し、財産を相続するひとが家族の介護をするのが当然だと考えられていましたが、アンケート結果のとおり相続と介護が切り離されていること自体が、現代における社会を反映した問題といえるのかもしれません。

トラブルの原因は様々です。ごく近い関係にある家族であるがゆえに、遠慮や相手のことを思いやるなどの気持ちが欠落してしまうこともあります。

家族のメンタル不調に備えるには

家族は、一緒に暮らしていると長い時間をともに過ごすわけですから、そのうちの誰かがストレスを抱えて、イライラしたり意気消沈していると、周りのひとも巻き込まれたり気を遣ったりで、家庭がくつろぎの場でなくなってしまいます。話を聞いたり相談することで解決するような問題であれば、深刻になる必要もないのですが、家族関係が崩壊するような大きなトラブルを抱えていたり、解決するのに時間を要するような場合には、なにかしらの効果的な手段を講じないといけません。

第一に、冷静に話しあえる場をもって、ストレスの原因となっているものの正体を正確に認知することが大切です。その上で、トラブルの原因はなんなのか、最終的にどうしたいのかを聞いてみるのも、解決に結びつくヒントになるかもしれません。ストレス原因の中には解決が難しい問題もあります。すぐに解決しない場合でも、しっかり話しを聞いてくれた上で、自分の言うことに共感してくれる人を見つけられると、ストレスはかなり軽減されるものです。

逆に、家庭内や家族関係でストレスがたまって疲れている時には、趣味に関連した人との交流やコミュニティを持つなど、家庭以外に居場所を求めることも有効です。家族とは別の人間関係を築くことで、リフレッシュでき、ストレス解消につながります。また別のコミュニティで得た新たな視点により、家族間のやりとりがスムーズになることも少なくありません。特に誰かが大病を患った場合には、多くの場合で介護の担い手が家族になるケースが多く、人間関係が家族や親しい親族のみに限られてしまうことも少なくありません。先の見えない介護で心身ともにかなりの負担とストレスを強いられることになります。
多少のトラブルが起きるのはごくごく当然かもしれませんが、介護者のつらさや大変さをを理解したうえで、時には誰かが交代するなどして、長時間の外出や1泊程度の旅行に出掛ける機会が作れれば、笑顔で介護に向かい合えるようになることもありません。

その他、家族関係に深刻な不仲があって、家族と一緒に暮らしていくことにあまりにもストレスを感じるのなら、思い切って家から出て一人暮らしを考えてみるのも間違いではありません。経済的に自立することは容易でないことも少なくありませんが、目標を持つことで目先が変わって、今まで感じていたものがストレスに感じなくなるという効果もあります。

家族関係のトラブルは、前もってある程度の予想が立てられるものもあれば、突然巻き込まれる場合もあります。家庭が抱える問題は、十人十色で、その関係性もトラブルの内容もそれぞれ違っています。幸せそうに見えていても、中ではいがみ合っていたり、悩みに押しつぶされそうになっている場合もあります。

「家族だから、そのうち分かり合える」とか、「子供だから、親を見るのは当然だ」とか、当たり前だと思っていたことが覆されて、より深刻なトラブルに発展するのは家族関係だからこそ深みに嵌ってしまうのでしょう。トラブルによるストレスから、家族や自分自身を守る意味でも、その当たり前を変える勇気を持つべきなのかもしれません。

記事 メンタルヘルスコンディショニング講座講師・佐々木幹





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佐々木幹

佐々木幹メンタルヘルスコンディショナーⓇ

投稿者プロフィール

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ココロと身体の問題について様々な解説を行っています。

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