睡眠障害とは、ひとつの病気を表す言葉ではありません。睡眠関連の障害における総称として使用される言葉です。睡眠障害として使われる事柄に関して共通しているのは、健康的な睡眠を阻害する存在であるということです。十分な睡眠は、生活を送っていくうえで欠かすことができません。睡眠が不十分であると、生活や健康においてさまざまなデメリットを生じさせます。睡眠障害は、適切な対策や治療を検討することで、大事に至る前の段階で食い止めることが可能となります。今回は、睡眠障害に関する主要な情報をまとめましたので、ご参考にご覧ください。

睡眠障害について

厚生労働省の発表では、日本の一般成人における約20%、およそ5人に1人の割合で睡眠障害の症状に悩んでいると記されています。このデータを見るとかなりの割合で睡眠障害はかなり多くの人が抱えているものだということがわかります。そのため、現在睡眠障害でない人も軽視できません。睡眠障害といえば不眠症といった印象が強いかもしれませんが、不眠症だけが睡眠障害ではないのです。睡眠障害によって日中のだるさ、眠気による集中力低下などを感じるようになり、仕事や家事の上でのミスや怪我、トラブルなどを引き起こしやすくなります。顔色の悪さ、覇気の無さ、イライラはマイナスな印象を与え、人間関係にも影響を及ぼしやすいです。また睡眠障害が持続することそのものの影響で、生活習慣病やうつなどの他の精神病を引き起こす要因ともなりかねません。こうした事態に至らないためにも、睡眠障害の予防、対策はとても重要です。

睡眠障害には、不眠症をはじめ、過眠症・概日リズム睡眠障害・睡眠呼吸障害・その他の睡眠障害・身体疾患や精神疾患に合併した不眠の6項目があります。それぞれの解説は、次項にて詳しく説明していきます。

睡眠障害の種類

はじめに睡眠障害の代表格である「不眠症」をご紹介します。不眠症とは、寝つきの悪さや眠りの質の悪さを特徴とする症状です。床に就いてもなかなか入眠に至れず、結果的に睡眠時間が大きく削られる症状です。また不眠症は、入眠困難、夜間まだ真っ暗な時間帯であるにもかかわらず複数回にわたって起きてしまうといった症状の中途覚醒、希望しているわけでもないのに起床予定時刻より2時間以上前に目覚めてしまう早朝覚醒、そして睡眠の質自体が悪く眠っている時間と比べて熟睡した感覚が得られない熟眠障害の4タイプに分類することができます。純粋に十分な睡眠がとれなくなる症状なので、身体への影響も大きいです。

次に、「過眠症」です。眠り過ぎるという文字が含まれていることから、不眠症とは反対に睡眠をとりすぎる症状のようにも思えますが、実はそうでもありません。考え方としては、夜十分に眠れているにもかかわらず、日中もなお強い眠気が生じるといった具合です。つまり、日中の快適な状態を作るためにとっている睡眠が、正しく機能していない状態です。主には、日中の強い眠気が30分以内の短さで頻繁に起こるナルコレプシー、昼間の眠気や居眠りが1時間以上長引き、さらに夜間睡眠も著しく長い特発性過眠症、強い眠気が3日から3週間という日をまたぐほどの長さで発生する反復性過眠症の3種類があります。十分に眠れることは良い状態のようにも思えますが、健康な体調からすれば明らかに以上であり、実生活に支障を来します。

3つめは、「概日リズム睡眠障害」です。こちらは病気というよりも、生活を送っていく中で睡眠をとることができない状態になり睡眠不足になることによって十分に寝ることができなくなる症状のことを表すようです。また自分で予定している睡眠時間にしっかり眠れない場合も、このタイプに含まれます。夜勤と日勤の、交替勤務が原因となる睡眠障害、体内時計の遅れが影響して起こる睡眠相後退症候群、逆に体内時計の進み過ぎで夕方頃から眠くなる睡眠相前進症候群、寝る時間、起きる時間が毎日1~2時間ずつずれていく非24時間睡眠覚醒症候群、そして一定傾向に捉われず日々ランダムな睡眠覚醒が起こる、不規則型睡眠覚醒パターンから成ります。

4つめに、「睡眠呼吸障害」があります。代表的な症状には睡眠時無呼吸症候群という症状があり、一般的にいわれるいびきの酷くなった状態がこれに該当します。いびきは、上気道が閉塞することによって起こりますが、無呼吸症候群になると閉塞しきって息が完全に止まります。そのことによって、十分に寝ることができず目が覚めてしまいます。他にも、夜間頻尿や日中の眠気、日中の倦怠感、頭痛なども併発します。

「その他の睡眠障害」では、これまで紹介した症状以外の特別な症状が影響することにより不眠が発生します。例としては、むずむず脚症候群による足のむずむず感が気になって眠れないケース、足や手が無意識にびくついて深く眠れなくなる周期性四肢運動障害、そして夢遊病ともいいかえられる睡眠時遊行症や、夜鳴きや叫びが睡眠中突然現れる睡眠時驚愕症、悪夢などの総称である睡眠時随伴症が原因となった不眠などです。いち睡眠障害に留まらない深刻さであるため、各症状の担当医を早めに受診することが大切です。

最後に、「身体疾患や精神疾患に合併した不眠」をご紹介します。これは身体・精神疾患の合併症として現れるタイプの睡眠障害です。主には、頭痛や発熱・かゆみ・循環器疾患・消化器疾患・うつ病といった睡眠にまったく関係のない病気に伴うのが特徴的です。「その他の睡眠障害」はいずれも睡眠障害として代表的な病気に伴う不眠なので、その点が大きな違いとなります。

このように、睡眠障害は6つのタイプに分類されます。タイプが違えば、同じく深刻度や対策方法も異なってきます。まずは自分がどのタイプに属するのか考えてみてください。

睡眠障害を改善するには

睡眠障害には種類が複数あり、改善方法もいくつかに分かれます。まず軽度のもの、他の症状が伴わない場合は、睡眠時間にこだわらずリラックスして眠る、眠くなるという感覚を大事にする、起床時間を固定する、昼寝の時間を減らす、もしくはなくすといった工夫を行う事や睡眠習慣の改善をおこなうことで睡眠障害からの回復を期待できます。

過眠症の場合は、夜間しっかり眠ることを意識すべきです。そうすることで、日中の眠気を抑えられるためです。また可能であれば昼寝自体もしっかり決まった時間にとるよう心がけ、眠気を感じるべきでない時間帯への影響を抑えるのも有効的です。

概日リズム睡眠障害は、睡眠のリズムが狂っているという明確な原因があるため、睡眠リズムの改善が効果的です。朝十分な太陽の光を浴びるよう意識すれば、おのずと体内時計がリセットされます。

その他、別の病気が影響して起こる睡眠障害については、そちらの改善を優先すべきです。たとえば睡眠時無呼吸症候群であれば、いびき治療に専念しましょう。むずむず足症候群、周期性四肢運動障害などは、抗てんかん薬、抗パーキンソン病薬といった薬が有効とされています。いずれも専門医の診断や処方が重要となるので、一人で悩まず、まずは医療機関を受診してみることをおすすめします。

睡眠障害に陥ってしまうと、健康面のみならず実生活にまで多くの影響を与えかねません。もし睡眠障害かもと感じたら、タイプ別の症状を確認して自分がどの状態であるかを確認すると解決策がみつけられるかもしれません。しかし、症状が重い場合は自己治療で済ますことなく、早い段階で専門の医療機関へ相談しに行かれることをおすすめします。

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