ココロの問題をカラダからケアする

ココロとカラダの繋がり

現代、ココロとカラダを分けて扱う傾向があります。しかし、ココロとカラダは切っても切れず、お互いに強く影響し合っています。“笑う”という動作1つ取っても、ココロとカラダは切り離せません。私の専門分野であるカラダの観点から笑うという動作をみれば、口角挙筋を収縮させている、となります。しかし、笑うという動作は、ココロから起こってくる動作です。同じ“笑う”でも、ココロの底から笑って口角が持ち上っている時と、本当は笑いたくないけど口角を持ち上げている時、つまり意図的に笑っている時を、同じ口角挙筋を収縮させていると一括りにすることに違和感があります。カラダの動きは口角挙筋を収縮させるとなりますが、その中身は異なり、違いは分かるものです。良くも悪くも、ココロの状態はカラダに影響を与え、ココロとカラダは密接なのです。

 

ココロの問題をカラダから

ココロの状態を自分でコントロールするのが難しい時、運動やストレッチなど、カラダからアプローチをすると、ココロの状態がコロッと変わることがあります。何故かやる気が起こらない時や何か気分が乗らない時、やる気をだそうとして無理に気分をのせようと思っても、なかなか上手くいかないものです。思い切って筋トレやランニングなどに取り組むと、終わった後にはココロの状態が180°変わって、やる気が湧いてきたり、気分が良くなって来たりします。そんな時はいつも(カラダを動かさないから、ココロが沈むのかな)なんて思ったりするものです。

ホメオスタシス

そんなココロとカラダの関係を密接にしている要素に、ホメオスタシスという機能があります。人は常々カラダの外の環境から刺激を受けていますが、それに対して適切にカラダの内側を一定に保ってくれている機能です。カラダにとって有害な物質と戦ってくれる免疫系や、ホルモンを分泌してカラダの様々な機能を調節してくれる内分泌系、自分で意識してコントロール出来ないものをコントロールしてくれている自律神経系などがあります。これらの機能は、ココロのコンディションに大きく作用します。それらを意図的にコントロールすることが難しいからこそ、カラダの外の環境だったり、食事や運動、ケアなど、自分のカラダに刺激を与えて、ココロに影響を与えることがポイントです。

カラダが与えるココロへの影響

カラダに過度な緊張があると、ココロにも大きな影響を与えます。カラダが過度に緊張して筋肉が縮こまってしまったり、筋肉を始めとした様々な組織を包んでいる筋膜がくっ付いてしまったりすると、体液循環が悪くなったり、その部分の機能が上手く働かなくなってしまいます。内分泌系でホルモンを分泌しても、体液循環が悪くなれば運搬されず、適切に働くことが出来ません。幸せを感じさせてくれるホルモン・セロトニンが適切に働かなくなることは、幸せを感じることが出来なくなり、鬱になってしまうと言われています。全身繋がって影響し合っている筋膜がどこかでくっ付いていれば、内分泌系を包んでいる膜にも影響をし、内分泌系がホルモンを分泌しにくくなることも考えられます。セロトニンを生み出す腸の位置を変えて腸が働きにくい環境にしてしまっていては、ホルモンの分泌が妨げられてしまいます。

「心理学は無い。あるのは生理学だけだ。」

私が勉強しているボディワーク・ロルフィングでは、ココロとカラダの繋がりを大切にしてカラダに働き掛け、体、心、そして精神を扱うことをボディワークとしています。ロルフィングの創始者IdaRolf博士は、「心理学は無い。あるのは生理学だけだ。」と言っています。これは決して心理学の存在を否定しているのではなく、我々カラダを扱う専門家にとって、ココロとカラダはそれだけ密接であることを、アメリカ人ならではのメタファーを使って強く伝えています。内分泌系や自律神経系が、その時の気持ちや気分に大きく影響するように、腸内の細菌の種類や数に寄ってその人の人格や性格に影響すると言われています。カラダというのは、ココロに大きく影響しているのです。

カラダを動かしてみたり、カラダをケアすることによって、ココロの問題をカラダから改善することも出来るでしょう。こちらのコラムでは、ココロとカラダの繋がりを大切にするボディワークの観点から、ココロのことをカラダの観点から書いてみたいと思っています。

大久保圭祐

大久保圭祐パーソナルトレーナー

投稿者プロフィール

心と体を一体として捉える考え方や身体への働き掛けを特徴とするボディワークの“Rolfing®”に興味を持ち、渡米してRolf Institute®を卒業する。各種メディアや店舗にてエクササイズの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活躍中。

http://keisuke-o.net/

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