マタハラに悩んだら

近年ニュースや情報番組などでよく耳にするようになったマタハラという言葉ですが、きちんと意味を理解していますか?マタハラは女性の社会進出が進むことにより、表面化してきた深刻な問題です。マタハラとは何なのか、何が問題となっているのか?原因は何なのか、なぜ起こってしまうのか?そして実際にマタハラに直面した場合にはどう対処したら良いのか、解決できなくて悩んでしまったらどこに相談したら良いのかなど、基本的なことから分かりやすく説明いたします。

マタハラとは何か

マタハラという言葉は、マタニティハラスメントの略語で、仕事をする女性が妊娠や出産・育児など、女性ならではのライフイベントの際に職場で嫌がらせを受けたり、解雇や、自主退職の強要、不当な配置転換などで不利益を被ったりすることを意味する、女性を悩ませるハラスメントのことを指します。

行動や言動によって不快感を与えたり、尊厳を傷付けられたりと、これまではセクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどがよく聞かれていましたが、現在ではそれらを越す勢いでマタハラが問題となっています。マタハラは法律で定義されているものではありませんが、実際にマタハラを感じたことのある働く女性は非常に多くなってきています。

マタハラは、精神的な苦痛や肉体的負担によって、不快に感じるだけではなく、それにより流産や早産を引き起こすなど命の危険を伴うこともあるので、その他のハラスメント以上に深刻なものであり、慎重に取り扱うべき問題です。マタハラは期間や対処者が限られていますが、精神的な負担はなかなか表面には見えてきづらい問題でもあり、女性の社会での活躍を望むのであれば、社会全体としてマタハラの解決に向けて取り組んでいくことが望まれています。

マタハラで一番多いケースとしては、妊娠した際に退職を勧告されるというものです。そのような行為は法律で禁止されているので、実際に退職を言い渡されることはほとんどありませんが、職務内容や配置を不当に変換したり、本人が辞めたくなってしまう気持ちになるような発言をしたりと、退職に追い込むことが非常に多く見られます。

また、妊娠した女性の権利である産休や育休の取得を妨げるような発言を浴びせるというケースもマタハラの代表的な例です。こちらも実際に申請されたのに認めないというのは、法律上問題になってしまうので、自主的に取得を諦めさせるように発言や圧力をかけているようです。その他にも、配置転換の希望が受け入れられなかったり、妊娠を理由として降格を言い渡されたりすることもあります。

マタハラで多く見られるのはこれらのケースですが、その他にも本人が、妊娠や出産・育児を理由とした不当な対応をとられていると感じたり、不快な思いをしたりするようなことは全てマタハラになります。

マタハラはなぜ起こるのか

妊娠することは、人間にとって命を育む非常に尊いことのはずです。では、マタハラは一体なぜ起こってしまうのでしょうか?報告されているマタハラのうち、60%が男性から受けるものですが、残りの40%は女性からのものになります。同性で、妊娠や育児への理解のありそうな女性からマタハラを受けるというのは、少し意外に感じるかもしれません。マタハラが発生する原因は、主に2つあります。

1つは妊娠や育児への理解や知識、協力不足によることで起こります。原因として、妊娠や出産に伴う女性の体調の変化への知識・気付きの不足、妊婦への制度や法律の認知度の低さ、妊婦の方の状況把握やいざと言うときの対処の仕方が分からない、などという人が多くいることが挙げられます。

これらを改善するには、妊婦の人が今どのような状況なのか、体調面の辛さはどれくらいあるのか、なども含めて理解しようとする気持ちや気づかいをすることが必要で、とても大切なことです。また、同性の場合、知識がありすぎることが原因の場合もあります。自分の知っている人や、自分の過去の経験とその人を比較して、結果として心無い言葉をかけてしまうことで、それがマタハラになってしまうことがあります。

もう1つの原因は、会社の制度不足です。いくら妊婦や育児休暇の取得者への理解がしっかりとなされていたとしても、会社の制度が整っておらず、周りの人にしわ寄せがいってしまうようなことがあれば、周囲の人は不満がたまり、その矛先が本人へと向いてしまうことがあります。これにより心無い言葉や行動がマタハラへと繋がってしまいます。

日本も近年では、女性の社会進出がどんどん進んでおり、女性が責任ある立場についている場合も多くなっています。今後、より一層の女性の活躍を期待するのであれば、ますます制度の充実させることが必要となってくるでしょう。この他にも、女性からの嫉妬が原因になっている場合もあります。制度がきちんと整備されていないこともありますが、妊娠・出産、育児への正しい知識を持つこと、理解し協力しようとする姿勢、気づかいなどの不足が最も大きな原因となっています。

マタハラをされたら、まずは相談しよう

実際に職場でマタハラを受けて、困ってしまったり、悩んでしまったりした時には一体どのように対処すれば良いのでしょうか?言いにくい、相談するところがわからない、きっと無駄だ、などと考えて会社を辞めてしまったり、ストレスを感じたまま働き続けたりするよりも、きちんと相談をして解決につなげる方が賢明です。

 

1.社内で理解ある人に相談

社内で相談するのであれば、直属の上司や同僚などではなく、実際に出産を経験して働いている人に相談するか、社内に労働問題や人間関係について相談出来る相談窓口があるのであればそちらに相談をしましょう。妊娠は誤解や嫉妬を受けやすいもので、相談相手を誤るとそれによりマタハラが増幅してしまうこともあります。

 

2.国や自治体の相談窓口を使う

社内では相談できる人がいなかったり、話を聞いてもらえなかったり、相談窓口が無いという場合には、社外の相談窓口を利用しましょう。国や地方自治体が、マタハラを専門的に取り扱う相談窓口や女性の労働環境を取り扱う相談機関を設けています。そういったところに相談すれば、会社とは全く関係のないところなので、なんの遠慮もなく相談することができますし、実際にどう対処すべきなのか、自分の対応の仕方を教えてもらえたり、他の人の事例なども交えて相談にのってもらえたりするので解決につながりやすくなります。実際に直接行くのが難しいのであれば、メールや電話での相談を受け付けている相談窓口もあります。

 

いずれにせよ、マタハラは一人で抱え込むことが何よりも問題です。自分で対処しきれないと思ったら、相談して自分の思いを吐き出すこともとても大切なことです。そして冷静な第3者の意見を聞いて冷静に行動しましょう。妊娠期間はただでさえストレスがたまり、不安定になりやすいです。そして、ストレスはお腹の子供にも悪影響を与えます。相談することで、マタハラにより精神的・肉体的にストレスが多少なりとも取り除かれるのであれば、それにこしたことはありません。自分にとって最良の相談場所はどこなのか考え、思いを伝えるようにしましょう。

女性にとって、妊娠や出産・育児というのは人生の大きなライフイベントであり、新しい命を育む非常に尊いことです。それにより、仕事で不利益を被ったり、不快な思いをしたりすることは本来あってはいけません。しかし、現在の日本では妊娠や出産・育児に対しての理解が十分になされていない、というのが現状です。女性の社会進出を推奨するのであれば、きちんと制度を整えてサポートしていくことが必要です。ですが、実際にすぐに制度を変えることは難しいかもしれません。マタハラから自分を守るためにも、相談をしたり、対応を仰いだり、きちんと自分の思いを訴えたりと、自分の力で解決につなげる努力をすることも必要になってきます。

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