お酒に関する病気として、アルコール依存症は広く知られていることでしょう。お酒は多くの人が楽しむ存在であり、そのすべての人が依存症になりかねません。またかつては慢性アルコール中毒や、日常会話でもたびたび使用されるアル中などとも呼ばれており、お酒を大量に飲む人の症状として有名です。とはいえ、身近に聞く言葉とはいえ軽視できないのがアルコール依存症の特徴です。お酒を好んで飲む程度であれば問題ありませんが、飲む頻度や量に気をつけておかないと日常生活がままならなくなる、周囲に迷惑をかける、仕事上でトラブルを起こすなど、大きな問題にも繋がりかねません。またお酒を飲んだときのみならず、飲んでいないときにすら先ほどのような症状が現れることもあります。こうした状態にならないためにも、正しい知識を持ち、楽しいお酒に留められるように気をつけることが大切です。今回はアルコール依存症の恐ろしさや特徴、注意すべき点などをまとめたので、ご参考にご覧ください。

アルコール依存症とは

アルコール依存症になると、アルコール摂取の度合いを自分でコントロールできなくなりさまざまな異常が起こります。これは脳がアルコールの薬理作用に捉われ、節度ある飲酒をできなくなっているためです。このように、正常な判断すらままならなくなることから、精神障害のひとつにも数えられています。飲酒は一定年齢さえ超えていれば基本的に自由に楽しめる存在ですが、ある種の依存性薬物ともいえる存在です。そのため、合法的なものであるとはいえ、安易な飲みすぎには気をつけるべきです。

とはいえ、アルコール依存症患者は誰もが生まれつきもっている症状でもありません。遺伝によってなりやすい性質が受け継がれるという特徴も伴っていますが、人生最初の一口からいきなり依存が始まるというわけでもありません。いくつかの段階を踏んで、徐々に脳がアルコールに冒されていき、症状が強まっていくという具合です。

まだ飲み始めの頃は、コップ一杯、さらには一口程度でも酔いが感じた人もおおいのではないでしょうか。しかし、その程度で酔う状態であっても、何度も繰り返し酒量も徐々に増えてくるとお酒に対してたいていの人が免疫できてきます。この免疫こそが、アルコール依存症の最初の一歩といえます。免疫ができると、酔いがすぐ感じられなくなり、より多くの酒量を求めやすくなります。その結果飲酒の量が増えて行ってしまう人も多いです。またお酒を水のように飲むことになる人もすくなくないようです。そうなると次に問題となってくるのが、時間や場所を問わず飲み始めてしまうということです。飲酒が癖になり飲むことに対してさほど抵抗がなくなってくると人によっては朝や昼間から、さらには仕事の合間でも飲んでしまうといったこともおきてしまいます。このような状況になると、脳はより一層アルコールに侵食されていきます。

そして、少しでも飲酒すると思考が働かなくなるという状態に陥りやすくなります。大いに個人差はありますが、このような状態になるとアルコールへの免疫がついていつでも飲めるようになっていたにもかかわらず、徐々にアルコールに対する免疫力が落ちてきているのです。理由は、アルコール依存症という病気が進行しているためです。時間や場所を気にせず飲んでしまう、それに加えて飲むたび意思が働かない、そうなってくると不注意や暴力、仕事のミス、暴言など、それこそ他人へ迷惑をかけてしまうものも少なくありません。そのため、アルコール依存症が重度になってくると日常生活においてさまざまな問題を起こしてしまいます。身近に使用されるアルコール依存症という病名ですが、リスクの高い病気なので十分注意してください。

飲酒時と同じく危険なアルコール依存症の離脱症状

上記に挙げたような飲酒時の症状も恐ろしいですが、アルコール依存症の特徴はこれだけに留まりません。それ以上ともいえるのが、飲酒を断っている状態、いわゆる離脱時の症状です。アルコール依存症になると、本人の意思というより脳の依存によってコントロール機能が低下し自然と飲酒を続けてしまうようになります。脳自体が求めているわけですから、頑張って断酒しても体がそれを受け付けなくなってしまいます。そのためアルコール濃度が低下すると、自律神経症状や情緒障害、手の震え、幻覚などが起こり始めます。そしてこのような状態は、離脱症状と呼ばれており、大きく2種類に分けられています。

一つ目が、早期離脱症状です。飲酒をやめて数時間後すぐに出現するタイプであり、回復も数日と比較的早いです。主な症状としては、手や全身の震え・発汗・不眠・吐き気・嘔吐・血圧上昇・不整脈・焦燥感・集中力低下・幻聴・けいれん発作などがあります。再度お酒を飲むことでも症状が治まるものの、また飲酒を控えるとまたすぐ発症するので依存症のスパイラルに陥ってしまいがちです。

もうひとつの症状は、早期離脱症状以上に気をつけるべきである後期離脱症状です。症状内容も去ることながら、発症するタイミングが特徴的となっており、飲酒をやめてから2~3日目に起こります。基本的な発症期間はそこまで長くないながら、重度の場合は3ヶ月近く長引く場合もあり、長く苦しみを味わなくてはなりません。症状としては、幻視や幻聴、見当識障害、興奮などです。幻覚に悩まされる、時間や人、場所が識別できないともなれば、言わずもがな生活に支障を来します。さらに興奮状態を起こすと、騒いだり暴れたりと、周囲にまで影響を及ぼしかねません。このような症状になると、自分や身近な人だけでコントロールすることは難しいので、医療機関、専門機関における収容治療も必要となるケースがほとんどです。

アルコール依存症対策

まずは、アルコール依存症という病気を知ることが大切です。どのような兆候が見られたらアルコール依存症を疑うべきか、理解することができるためです。診断基準としては、国際疾病分類に記載されている項目が役立ちます。主には、「アルコールを飲みたいという欲求が強く、飲んではいけないと思っていてもつい飲んでしまう」、「飲む時間や量がコントロールできない」、「飲酒していないとき、もしくは飲酒量を減らしたときに前述のような離脱症状が起こる」、「免疫がついて、酔うための酒量が増えてきた」、「飲酒のための費用や時間、労力が生活内で大きな割合を占めてきており、それ以外の面は反対に疎かになってきている」、「飲酒が原因で問題を起こしているのにやめられない」の6項目です。自分の状態とこれらを照らし合わせて、3つ以上が同時に起こる場合アルコール依存症と診断されるそうです。

アルコール依存症は、脳がアルコールによる薬理作用に囚われ、飲酒のコントロールが利かなくなることで起こります。そしてアルコール依存症の恐ろしいところは、一度発症したら、普通飲酒は二度とできないという部分にあります。つまり、楽しいお酒が味わえなくなるということです。健康的な生活を送るには一滴たりとも飲んではいけないともいわれており、酒好きには辛い生活を強いられます。そのため、重度のアルコール依存症になる以前から、飲みすぎには気をつける、飲酒できる日を決めておく、アルコール度数の低いお酒を選ぶなど、工夫しておくことが大切です。

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