離婚カウンセラーとは

離婚カウンセラーという言葉を聞いたことはあるでしょうか?離婚カウンセラーという職業は、日本では1991年に岡野あつこ氏が日本で初めて「離婚カウンセラー」を名乗って、岡野あつこ離婚相談室を設立されたのが、最初だと言われています。1991年といえば月9の「東京ラブストーリー」が出た時代です。

離婚させ屋ではありません 客観的な第三者 専門家への橋渡し 必要な知識とスキル ビジネスとしてのカウンセリング

離婚させ屋ではありません

日本の離婚件数は、2002年に約29万組の離婚件数を記録したのがピークで、その後は若干減少しています。ただし、婚姻件数も下がってきていますので、婚姻件数と離婚件数の単純割合(その年の婚姻件数と離婚件数の割合)では、婚姻数3組につき離婚1組が生まれていることになります。この傾向は1998年から現在(2017年)まで続いています。

さて、離婚カウンセラーという仕事はどのような仕事なのでしょうか?
DVですぐにでも離婚しなければ危害が生じる可能性がある相談者を、法的手続きを指南してアドバイスする仕事でしょうか?
配偶者の浮気などで悪化した夫婦関係をどうしたらいいのか悩んでいる相談者に、夫婦関係を修復するためのアドバイスをしてあげる仕事でしょうか?離婚により子どもの親権を失い、子どもに会いたくてもほとんど会えない相談者に、一定程度面会できるようなアドバイスしてあげる仕事でしょうか?いづれの場合も離婚カウンセラーの仕事といえますが、離婚カウンセラー自身が自分の理念に従い、特色ある離婚相談所あるいは夫婦問題相談所などで活躍しています。

前述した夫婦問題研究家でもある岡野あつこ氏は次のように語っています。
———————————————————————————–
ご相談者の幸せを一番に考える!

私がまず初めに、これだけは言っておきたいのは…
「離婚しないに越したことはない!」ということです。

離婚カウンセラーと言うと すぐ「離婚を奨励する」と捕らえられがちですが、実はそうではなく、相談者が抱えている様々な問題を、「離婚」以外の方法で解決できるならばそれが一番良い、と言うのが私の基本的な考え方です。
カウンセラーは、まず相談者の話を親身になって聴いてあげることで、相談者の傷付いた心を少しでも癒して行き、そして信頼関係を築いた上で、問題点はどこにあるのかを相談者とともに見つけだし、相談者のより良い明日のために、力を添えてあげて下さい。

相談者に一番あった幸せの形を見つける手助けをする、
それが離婚カウンセラーとしての使命だと信じています。
———————————————————————————–

客観的な第三者

夫婦問題に悩んで離婚まで考えている方は、親しい人にも相談できず孤独な状態です。そんな時、正しい知識とスキルを持った利害関係がない第三者の存在が離婚カウンセラーです。相談内容は、「浮気」「家庭内別居」「精神的虐待」「家族問題・実家とのトラブル」「性格/価値観の不一致」「セックスレス」「アルコール」「借金/ギャンブル」「離婚調停・裁判・慰謝料」「暴力/DV」など実にさまざまであり、どの問題も極めて秘匿性が高いものであるので、離婚カウンセラーには守秘義務はもちろんのこと、相談者にしっかりと寄り添って、幸せの「こたえ」を一緒に見つける姿勢が求められます。

 

『相談事例』
・マザコン夫に悩む妻の事例
相談者のM子さんは27歳。
夫Y氏は29歳の若手税理士で、父親の会計事務所を手伝っていました。
Y氏がひとり息子だったこともあり、結婚後は2世帯住宅に入居。1階が事務所と義父母の自宅で、2階がM子さんたち夫婦の自宅でした。
義母は毎日のように2階へやってきてY氏と仲良く話し込んでいます。M子さん夫妻の生活費は義母から毎月渡され、M子さんがどこへ行くにも何をするにも義母のチェックが入ります。 夕食の買い物にY氏が一緒のときは、義母はY氏と並んで先を歩き、M子さんはかごを持って後ろからついていくという構図。
M子さんは日に日に疎外感を味わうようになり、こんな女中のような生活に耐えられなくなりました。

・不倫相手の妻が離婚に応じてくれません
三年前に同じ会社の妻子ある男性と付き合い、すぐに奥さんにバレ、彼は毎週二日ある休みのうち、一日は離婚の話し合いを続けています。
しかし三年たつ今も泣き叫び、二歳の子供の為と自分の周りのママ友の体裁の為に、頑として離婚には応じてくれないようです。
しかし、私との間に一歳の子供が産まれていて、そのことも奥さんには話したようですが余計に嫌だと言われているようです。
彼もお手上げと疲れでもうどうしていいかわかないみたいで、、。
やはり、夫婦で一度カウンセリング受けたほうが道は開けますか?
助けてください。悪いことをしているのは私ですが私も待つのも限界です。

事例引用元:岡野あつこ離婚相談救急隊ー離婚・夫婦問題よくある相談ー

専門家への橋渡し

離婚を考えている方は、離婚後の自分(と子供)の将来を冷静にイメージすることが大切です。
相談内容により、弁護士・司法書士・行政書士・FP・探偵などに橋渡しします。それは相談内容が「浮気(調査)」や「財産分与(不動産、保険、年金)」や「離婚調停」など、専門家としっかりコラボレーションできなければ問題解決できないことが多くあるからです。一方、弁護士法第72条(非弁行為の禁止)など、離婚カウンセラーは法令も遵守し、カウンセリングの境界線も知っておくことが必要です。

<相談種類別専門家>
・浮気調査は、「探偵、興信所」
浮気調査の目的の80%は夫婦修復です。事実を知って対応策を考えるためです。もちろん離婚の際には証拠にもなりえます。

・法律相談は、弁護士、司法書士、行政書士
調停離婚になる場合、離婚協議書や公正証書を作成する場合など、業務独占資格所有の専門家に任せるため。

・財産分与(不動産)は、弁護士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士
土地や建物、車や家具、美術品など正確な査定と分与について専門家の意見を提示するため。

・財産分与(金融商品等)は、弁護士、税理士、社会保険労務士、FP
年金、貯金、現金(へそくり含む)、退職金、保険、借金やローン、株券、会員権など正確な査定と分与について専門家の意見を提示するため。

必要な知識とスキル


コミュニケーション能力、カウンセリング能力に加え、離婚に関する法律の基礎的な知識や相談者からのヒアリング内容を分析できる情報分析力などが必要です。

1.離婚に関する法律等の基礎知識
カウンセラーは法律家ではないので、法律相談を受けることはできません。 しかし、離婚の方法・財産分与・親権に関する民法の基礎知識を習得しておくことで、相談者が法律家に相談する際に、スムーズに適切なアドバイスを得ることができます。

2.情報整理能力
相談者は気持ちが落ち込んでいたり、感情的になっていることが多く、大事な問題点を見落としていたり、さほど大きな問題ではないことに執着していることがあります。 相談者の立場を理解するだけでなく、あらゆる関連情報を客観的に整理・分析することなしには、正しい解決策を導き出すことはできません。

3.コミュニケーション能力
相談者は、自分のつらい気持ちを信頼できる第三者に聞いてもらいたい、という思いでいっぱいです。 相談者の心情を上手に聞いてあげることで、次の判断や解決策につながる情報を手に入れることができます。 そのためにもカウンセラーは、相談者が受け入れやすい話し方や表現を心がけなくてはいけません。

4.相談ノウハウ
知識だけでは解決しないのがカウンセリング。離婚・夫婦問題相談における解決ノウハウは不可欠です。

5.親身さ
たとえ、離婚経験や大した経験がなくとも、相手の気持ちや立場を親身に理解しようと努力し、ビジネス以前に「あなたのお役に立ちたい」という親身さが最も大切です。

6.各自の経験
あなた自身の離婚経験や、それ以外の苦労した経験など、辛い思いをした分がカウンセリングに深みを増し、相談者を幸せにする原動力になります。

ビジネスとしてのカウンセリング


1.相談者を気遣い尊重する
ビジネスやプライベートでもそうですが、離婚カウンセラーはどんな相談者が訪れても、自分の全てが相手よりも上でもなければ、自分の全てが相手よりも下ということはない。と考える事が第一歩です。
そして相談者は、勇気をふり絞って自分のデリケートな悩みや弱みを打ち明けています。まずは相談者が信頼して秘密を打ち明けてくれたことに対し『ねぎらい』、リスペクトできる部分をみつけて素直に『共感』し、全部は無理でも部分々々、対等な立場で『肯定・理解』してあげるのです。相談者の弱みつけこむなど論外ですが、上から目線のアドバイスも厳禁です。相談者の幸せを考えた時、相談の一部分は否定することもあるでしょう。でも仮に否定的な言葉を使ったとしても、その方の優れた部分を尊敬し共有すれば、「自分の人格は尊重してくれている」と相談者は考えてくれるので、否定的な言葉にも素直になれますし、ともに問題解決に進めることで、カウンセラー自身の成長にもつながります。

2.誰にでも当てはまるアドバイスは伝わらない
一昔前と違い、相談者もネット等で一定以上の情報を持っています。
がん患者が、がんの情報を隅から隅まで収集するのに似ているかもしれません。情報武装して自己分析をしてきている相談者に対して『相談者のおかれている状態の状況分析』をしても、『相談者の内面の状況分析』をしても、誰にでも当てはまる分析やネット等で拾える分析だったとしたら、『離婚・結婚に対するものの考え方』や『解決提案』などを伝えても、相談者の耳には素直に入ってこないでしょう。

3.基本スキル習得は必須
仮に離婚した場合のシュミレーションとして、経済的なアドバイス(財産分与、慰謝料、年金分割、養育費など)、法律的なアドバイス(協議離婚・裁判離婚などの離婚方法や約束事の公文書化など)ができるのは最低条件です。その上で、子どもの問題、暴力、不倫、嫁・姑問題、借金問題、などの相談をされた時、相談者の真意を確認しながら、相談者の将来の幸せを1番に考え、夫婦関係の修復をすすめるにせよ、離婚をすすめるにせよ、解決方法を提示できるようになる必要があります。

4.カウンセリングのパターンを作る
相談時間を90分あるいは120分と決めた場合は、その時間内で最適なカウンセリングをおこなう必要があります。そのためには自分なりに時間配分を考えたカウンセリングパターンを身につけることが大切です。
(例)
「カウンセリングシート」⇒「相談者に対しての肯定・理解」⇒「相談者の環境状況分析」⇒「相談者の想い分析」⇒「夫婦問題に対するものの考え方」⇒「解決方法の提示」⇒「励まし・応援」

5.絆ができれば励ましは必ず届きます
その人だけの最適な解決方法が提示できれば、相談者は「相談してよかった。ありがとう。」とあなたに言う事でしょう。2人の間に小さな絆ができれば、『励まし、応援』は自然に出てくるはずです。

いかがでしたでしょうか?
離婚カウンセラーや夫婦問題カウンセラーは、健康さえ維持できれば何歳になっても続けられる仕事であり、経験の年輪を積めば積むほど相談者の信頼が得られます。人と接する仕事が好きな方、面倒見の良い方、感謝される仕事をしたい方、自分のつらかった経験を同じような境遇の人の助けに活かしたい方、70才を超えても人の役に立つ仕事を続けたい方、弁護士やコンサルタントなど自分の仕事の幅を広げたい方、そのような方は本気で離婚カウンセラーを目指してみればいかがでしょうか?

メンタルヘルスコンディショナー・佐々木幹

佐々木幹

佐々木幹メンタルヘルスコンディショナーⓇ

投稿者プロフィール

株式会社スマイルエデュケーション3代表取締役
一般社団法人ハッピーライフカウンセリング協会代表理事

大手民間スクールで約30年間スクール経営に携わり、販売マーケティングを皮切りに、商品開発室、教務室、学務室、通信教育センターの各部門責任者を歴任

現在は、自身が企画したメンタルヘルスコンディショニング通信講座の資格(メンタルヘルスコンディショナー)を取得し、「Live」「Love」「Smile」をかけ合わせた造語『LiLoveS』をコンセプトとしたハッピーライフカウンセリング協会と、学ぶすべての方の笑顔を目指すSmileCom(スマイルコム)のスクール運営を行う一方で、当サイト(メンタルヘルス情報サイト)の記事執筆を手掛けている。

メンタルヘルスコンディショニング講座はコチラ
https://smile-learn.com/product/

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コメント

    • asakura
    • 2019年 6月 21日

    初めてコメントします。
    私の友人でも夫からのモラハラに悩んで離婚協議中の人がいますが、相談されても聞くだけになってしまって良いアドバイスはできず、うまく相談に乗る方法はないかと思っているときに離婚カウンセラーという職業を知りました。
    名前だけ聞くと離婚を促す職業のようですが、離婚しないに越したことはないという考え方が素敵だな~と思いました。
    仕事にしている方もいらっしゃるようですし気になったので今度資料請求してみようと思います。

    • 佐々木幹
      • 佐々木幹
      • 2019年 6月 21日

      asakuraさん

      初めての投稿ありがとうございます。
      友人の場合は、アドバイスしても必ず友人寄りになるので客観性が欠けることがよくあるそうです。友人の場合は「よく話を聞いてあげる」のが1番良い!と岡野先生も言ってました。
      話をすることで自分がどうすべきか?の整理に役立つからだそうです。

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