統合失調症という病気をご存知でしょうか。統合失調症というワードをネット上などで目にしたこともあるという方も多いかもしれません。統合失調症というと「話が通じない。」、「暴れる。」などのイメージを持っている方も少なくないかもしれません。

精神的な病気は、人により症状も大きく異なり、怪我などの見た目に分かるものや明確な痛みや不調を伴うことがないために判別が難しく、素人知識で決め付けてしまうことが多いことも少なくありません。だからといって偏見や差別が起こるのはおかしい話です。メンタルヘルスについて興味を持っていただきサイトをご覧いただいている方に向けて、統合失調症の症状や傾向の特徴についてご紹介していきます。

■統合失調症とは

統合失調症は、感覚的な部分、思考、行動における異常が見られる精神障害です。主には幻覚や妄想、認知・感覚・意欲・行動・自我意識といった面で障害が見られます。人によって症状の傾向や度合いがさまざまです。一概に統合失調症にはどのような特徴が見られるかいい切ることは難しいといえるでしょう。それだけに、少し個性的な人や社会におけるコミュニケーションが苦手な人など、罹患していなくてもこの病気である疑いを持たれることがあります。偏見や差別をなくすためにも、そういった素人判断における決め付けはよくありません。近年は大人だけでなく、子供や学生の間でも多く使われる言葉になってきており、人間関係の問題を起こす一因にも数えられています。広がりを見せる言葉、病名なだけに注意が必要です。

統合失調症という言葉がなぜ近年広く使われるようになってきているのか、それは、患者数の多さが理由のひとつとなっています。前述の通り、症状の傾向や程度はさまざまですが、軽いものを含めるとおよそ100人に一人弱がかかる頻度の高い病気となっています。つまり、身近なところで見かけたり、接したりする確率が高い病気なのです。また、感覚的な障害であるだけに、組織において浮いてしまう人を蔑む言葉として使いやすいという点も要因のひとつでしょう。とはいえ、重度の障害ともなれば、たかが悪口で済まされないほどの苦痛をも伴う病気です。安易に口にすべき言葉ではないといえるでしょう。

また、統合失調症の症状は大きく2種類に分類されます。陽性、陰性の2つです。統合失調症の傾向が感じられる、もしくは身近にそういった人がいるようであれば、まずこの分類から注目してみてはいかがでしょうか。心の安定や解決の糸口、また症状とどう向き合うか考える上での、きっかけとなるかもしれません。

■陽性と陰性の違い

陽性・陰性の名前の通り、これらは主に、前者が動的な症状、後者は静的、マイナスなものといったニュアンスになっています。かならず明確に分かれるのではなく、統合失調症に罹患した人の経過によって表れるものなので、どちらのタイプか、というよりかはどちらのフェーズにある人間か、という点を見分けるための分類となります。いずれにおいても、統合失調症という存在を知る上で「陽性」、「陰性」という分類について理解しておいて損はありません。

まず、陽性から説明します。こちらの代表的な症状には、まず妄想が挙げられます。健常者であっても物事に対してある程度の予想、予測などをおこないますが、その範疇に留まらず、明らかに間違った考え方や、客観的に見て受け入れがたいような想像を膨らませ、さらにそれを何の疑いも持たず確信してしまうといった症状です。当人は確信に至っているため、妄想するだけに留められず、それを対処するための行動すら起こしてしまうのが難点です。重症化した人ともなると、犯罪行為をも起こしてしまう場合があるほどで、ニュースなどで取りざたされることも少なくありません。

妄想と同じく「幻覚」も陽性症状のひとつです。他にも幻視・幻聴・幻臭・幻触といった症状に悩まされることも多いようです。統合失調症は患者の感覚に影響を及ぼします。一時的な幻覚、錯覚などであれば勘違いで済むかもしれませんが、統合失調症の場合にはさまざまな感覚を通じて、繰り返し幻覚、幻視、幻聴、幻臭、幻触が続く患者も多いようです。その結果、その感覚に確信を持ってしまうことが多いことは納得できるでしょう。統合失調症では、これらのこの幻覚、幻視、幻聴、幻臭、幻触などから発展して妄想に至るケースが多いようです。幻視が原因となり、誰かに付きまとわれていると感じる、幻聴から周囲に悪い噂をされていると思ってしまう、幻臭から家の周りに汚物を撒かれているといったことを確信してしまうといった具合です。統合失調症が発症することで一般的な生活を送ることが困難となることも少なくありません。

また陽性の症状では思考障害も含まれます。思考障害では、一貫性のある会話ができなくなる、相手の反応も考えず、脈絡のない話をひたすら続けてしまうといった症状が一般的です。自分自身で何を話しているのか分からなくなることもあり、社会生活に大きく影響します。

続いて、陰性の統合失調症についてご紹介します。障害とはいえ行動的である陽性に比べ、陰性症状はネガティブな面が特徴的です。具体的には感情の平板化などがあります。人間は喜怒哀楽の感情を有しており、それを表情や身振り手振りで表現できる生き物です。しかし、陰性症状が発症すると極端に感情が乏しくなります。この場合、周囲からは症状に気がつきにくいため、家族などのサポートも受けにくく、気持ちが陰の方向へと陰の方向へと陥りがちになります。陰性症状が続くことで、自殺のきっかけともなりかねないところが恐ろしいところです。また陰性の統合失調症では、同時に他人の感情を察することができなくなります。周囲の状況に関心を持てなくなるケースもあります。

陰性の症状では意欲の欠如も特徴のひとつです。アクティブな感情が持てない、コミュニケーションがうまくいかないという状態に伴い、何に対してもやる気が持てなくなる状態です。趣味や恋愛、遊びなどであればまだしも、食事や片付け、入浴などの日常生活にすら意欲を欠いてしまうこともあり、軽視できません。一人で生活することが難しくなってくるので、周囲のサポートが大事となってきます。

また、統合失調症全体における代表的な症状では思考が乏しくなる傾向があります。思考、想像力、展開力などが欠如することで、語彙が乏しくなった、比喩表現が使えなくなる、単純な作業が理解できなくなる、新しい業務が行えなくなるといった状態です。会話がスムーズにいかなくなるため、結果的に口数が減り、さらに暗い感情を増幅させてしまいがちになります。自律神経失調症では症状の進行に伴い、うつ病や自閉症など別の病気を併発することも少なくありません。

■原因と対策

さまざまな説がありますが統合失調症は生まれつき起こる、いわゆる先天性の障害であると同時に、ある程度の発症の契機があると考えられています。主には、進学や就職、独立、結婚などの人生におけるターニングポイントが発症の原因となりやすいともいわれています。人生の転機を経て、急にコミュニケーションが取りづらくなった、意欲が持てなくなったといった場合は怪しんでみるべきかもしれません。

統合失調症は理解されづらい病気ではありますが、治療法は存在します。精神面の病気であるだけに、精神科が主な治療の場となっています。不安に感じたらまず専門医のアドバイスを受けることをお勧めいたします。統合失調症の治療は外来と入院の2種類があり、状況に合わせて医師と連携し選択していくことが可能です。治療方法には、精神療法やリハビリテーション、服薬療法などがあります。前述でも触れている通り、基本的には陽性や陰性、その他前兆期、回復期などを経て改善できる病気です。絶望することなく、地道な治療に励み心の安定を目指してみてください。

統合失調症は、妄想や幻覚、自閉などを特徴とする精神病です。妄想や幻覚であるにもかかわらず、強い確信を持ち行動まで起こしてしまうことがあるため、近年事件化が取りざたされるケースも少なくありません。ですが、基本的には治療可能な病気となっています。精神化を受診する、無理せず十分な休息期間をとるなどすることで、改善が目指せます。およそ100人に一人弱がかかるという頻度の高い病気でもあるため、少しでも不安を感じたら専門医のアドバイスを受けてみると良いでしょう。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

メンタルヘルス記事一覧

おすすめ記事

  1. パニック障害という病気を知っていますか。テレビや雑誌などで有名な人などが、過去にパニック障害にかかっ…
  2. メンタルトレーナー
    近年注目を集めている職業の1つにメンタルトレーナーという職業があります。 ストレス社会と言われる現…
  3. メンタルヘルスケア
    メンタルヘルスケアについて学ぶ 近年では大きなストレスにさらされ、心の健康を損ない生活に支障をきた…
  4. ADHDとは、発達障害の一つで注意欠陥多動性障害という意味の英語の頭文字(Att…
  5. ストレッチ
    セルフコンディションという言葉を聞いたことはありますか? selfとconditioningを組み…
  6. 生理になると腹痛やイライラ、経血などのあらゆる辛さが伴います。痛さや辛さなどには個人差があるので、ま…
  7. 成長 発達
    心理学は非常に沢山の分野がありますが、その中でも発達心理学という言葉を耳にした事はありますか?発達心…
ページ上部へ戻る