更年期障害は、更年期やその前後の年齢を迎えた中高年者にあらわれる特有の症状です。怪我やウイルスなどを伴う病気というわけでもありませんが、年齢を重ねたことによる体調の変化が影響し、さまざまな不具合が見られてきます。それまで当たり前にできていたことが、更年期障害をきっかけにやりにくくなる、できなくなる、さらには怪我の危険性が高まるといった場合もあります。

上記の通り、更年期障害はやっかいな症状です。しかし、改善策がないわけでもありません。普段の生活改善による方法、市販の薬をもちいた改善法、さらには医療機関で専門的に治療をおこなうこともできるようです。今あげた例の中でも比較的はじめやすいのは、普段の生活改善による方法を行うことでしょう。生活改善を取り入れるだけでも、症状の緩和が期待できます。負担が少なく、また快適な日々を送る上でも有効な習慣となること必至です。特徴を押さえて、更年期を迎えても健康的に暮らせるよう取り組んでみてはいかがでしょう。

更年期障害とは

まず更年期障害といわれる症状の特徴を紹介します。更年期障害と一口にいっても、実はさまざまな症状が伴います。主には、のぼせやほてりといったホットフラッシュ・発汗・冷え性・睡眠障害・動悸・頭痛・めまい・耳鳴りなどのいわゆる自律神経失調症が代表的です。さらには、憂うつ・精神不安定・意欲低下・不安感・記憶力減退などの精神症状、その他、肩こりや関節痛、腰痛などの運動器官症状、腹痛・食欲不振・悪心・嘔吐などからなる消化器症状、疲れやすさ、喉のかわき、かゆみも見られます。しかし、更年期障害の症状はかならずこれらすべてが一気に押し寄せるというわけでもありません。一部だけの症状が見られたり、ずっとは続かずにあるタイミングのみ起ったりするようです。

では、なぜこのような症状が起こるのでしょうか。主な原因としては、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。女性ホルモンであるエストロゲンは、閉経を迎える更年期になると分泌量が減ります。成人する頃合や出産適齢期ともいえる30代前後においては、ごく当たり前のように生産されるエストロゲンも、卵巣機能の衰えと同時に減少するのです。ところが、この仕組みにそぐわない機能を続けてしまうのが、脳です。脳には、エストロゲン分泌が減少すると増やすために卵胞刺激ホルモンを分泌する機能が備わっています。エストロゲンには女性機能の安定と同時に、体調を整える役割も果たしています。そのため、卵胞刺激ホルモンも有益な存在です。ところが、エストロゲンの分泌機能自体が低下してきてしまうと、卵胞刺激ホルモンが増えても役割を果たせません。これにより起こるのが、卵胞刺激ホルモンのみの増加です。すると、ホルモンバランスは乱れて体調に支障を来します。この結果起こるのが、更年期障害の各症状というわけです。

更年期障害の対策や治療法について

閉経は、女性なら基本的に誰もが通る体の変化です。そのため、更年期障害になりたくないからといって避けることはできません。そのため、症状が見られたら、もしくは更年期に近づいてきたタイミングなどで、しっかり対策しておくことが重要です。閉経を防ぐことはできませんが、ホルモンバランスを安定させるための努力は可能です。いくつかの角度から、対策をおこなってみてはいかがでしょう。

更年期障害を和らげるのに効果的だといわれているのは、食生活の見直しです。ホルモンバランスは、食事バランスとも密接にかかわっています。栄養バランスの良い食事、1日3食の適切な量などを意識することが大切です。しかし、栄養バランスを気にするあまり、食事がストレスとなることはできるだけ避けていただきたいので、自分の好きな食べ物を適度に取り入れ、満足のいく食事摂取を工夫してみると良いでしょう。

次に、サプリメントによる対策です。近年はドラッグストアやコンビニなど、あらゆるところでサプリメント製品が充実していますその中には、ホルモンバランスの安定を促すものも存在します。中でも代表的なのが亜鉛で、年齢に限らず女性ホルモンの安定や月経異常対策に役立てられます。そのほかにも、食事で不足を感じるビタミンやミネラルを補うサプリをとっていただく方法も有効です。

色々できることは試してみても更年期障害の症状の改善が見られない、さらには症状が重く日々大変な思いをしているといった場合は、医療機関を受診してみても良いでしょう。代表的な治療法としては、不足した女性ホルモンを直に注入する、ホルモン補充治療があります。原因を直接的にカバーするわけですから、高い効果が期待できます。その他、漢方薬の処方、低用量ピルによるホルモンバランスの安定がもちいられる場合もあります。不安を感じるようであれば、早い段階で医療機関などに相談するようにしておきましょう。

更年期女性以外にも増えつつある更年期障害

従来、更年期障害は更年期女性特有の症状と考えられていました。女性ホルモンが原因であり、さらにそのきっかけは閉経であるわけですから、当たり前といったところでもあるのですが。ところが近年では、更年期でない20代などの若い世代、さらには男性にも症状が出るという認識に変わってきています。症状の内容は更年期障害と似たようなものですから、年齢や性別に限らずやはり懸念しておくべき状況といえます。それぞれの特徴について、ご紹介します。

まず、若い世代で起こる更年期障害についてです。この場合、若年性更年期障害と呼ばれます。若年性の場合、症状が確認され始めたのは比較的近年といわれています。そこには、更年期障害が起こるきっかけが関係しています。若い世代なわけですから、もちろん閉経が原因となっているわけでもありません。主な原因としては、ストレス社会による過度なストレスや、偏った食生活、睡眠不足などが挙げられます。閉経がおこなわれずとも、これらによってホルモンバランスが乱れることにより更年期障害は起こります。それこそが、若年性更年期障害なのです。

もう一方の男性に起こる更年期障害は、男性型更年期障害などと呼ばれています。男性ホルモンのテストステロンが減少することにより、ホルモンバランスが乱れ症状に至るといった具合です。更年期女性に起こる一般的な更年期障害との違いとしては、性欲低下やEDなどの男性機能関連が挙げられます。またその他、テストステロンには血液の流れを良くする作用があることから、心筋梗塞や狭心症、脳卒中といった血管に関する病気のリスクが高まる点も特徴的です。

いずれにおいても改善策となるのが、生活の見直しです。閉経という個人で抗えない体の変化が原因となっているわけではないだけに、ちょっとした注意によって改善を目指せるといわれています。食事のバランスの見直し、適度なストレス解消、生活リズム改善などを取り入れて、体調を整えましょう。しかし、加齢による男性型更年期障害は、個人による対策が難しいといわれていますので、症状が重く感じられたら医療機関に相談することをおすすめします。

更年期障害は、決してすぐさま命の危険を伴う病気というわけでもありません。しかし、改定な更年期や老後を送るにあたり、やっかいな存在であるに違いはありません。更年期障害の症状が見られたら、生活の見直しや医療機関での相談などを取り入れ、改善を目指してみてください。

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