運動でストレスを軽減するには

ストレス社会と言われて久しい現代、老若男女問わず、大なり小なり何かしらのストレスを抱えながら日々の生活を送っています。ストレスの感じ方や程度の違いは人それぞれですが、場合によってはストレスが原因で病気を引き起こし、深刻な病状に陥るケースも少なくありません。そんな中、運動することで健康的にストレスを軽減させて症状の改善をしよう、という取組みが各方面で積極的に行われています。ここでは、ストレスによる体調不良に悩む人々に注目し、運動でストレスを軽減させることに焦点を絞って、なぜ運動によってストレスが解消されるのかを検証していきたいと思います。

運動がストレス軽減につながる理由


なぜ運動がストレス軽減につながるのかを、いくつかの事例から考えていきましょう。人が何かしらの原因で違和感、不安を感じたとき、ホルモンの分泌が過剰になり、自律神経に異常をきたしているといわれています。自律神経の異常は心臓がドキドキしたり、血圧が上昇したり、食欲が減退したりといった症状が現れます。この状態がストレスの入り口になります。一過性のものであれば時間の経過とともに自然に解消されますが、度重なるとイライラが募り、身体にも変調が見られるようになります。

ストレス解消法としては、食事と睡眠の他にもう一つ、運動をすることが良いとされています。食事・睡眠・運動は、身体的疲労な疲労はもとより、精神的疲労や脳疲労、病的疲労にも効果があるといわれています。食事・睡眠・運動の3要素は「疲労回復の三大要素」と言われているのです。食事は必要な栄養を補給するだけでなく、得られなかった欲求の代わりとして精神的に満足することができ、睡眠は肉体的な疲労を回復し、身体の修復を図ります。テンポの速いウォーキング程度の有酸素運動は、心拍数を上げ血液中に沢山の酸素を取り込み、疲労のモトとなっている乳酸を分解させるので疲労回復につながるのです。

また、ストレス解消に大きな効果を発揮すると言われている神経伝達物質に、セロトニンとエンドルフィンというものが挙げられます。これらは日光に当たること、身体を動かすことによって増加し、脳をリフレッシュして不安を取り除く効果があるとされています。セロトニンとエンドルフィンの増加は、多幸感を増幅させる作用があるといわれています。深呼吸をしながら、ストレッチなどの柔軟体操を行うことによって凝り固まった筋肉がほぐされて血行が良くなります。この運動により全身に酸素を行き渡らせることができますので、肩こりや筋肉の緊張が楽になりストレス解消に効果を発揮するのです。分かりやすく言うと、運動はストレスを感じさせるホルモンの減少を促進し、体内保有のエネルギー総量を増量させることで疲労しにくい身体を作ることができるようになります。

このように、適度な運動はストレスの軽減や解消につながるだけでなく、様々な病気の予防としても注目されています。前章では運動がストレスにもたらす効果について数々の実例をもとにご説明いたしました。続いては、運動に病気を予防する効果があるかどうか
についても検証してみたいと思います。

ストレスによって引き起こされる病気

ストレスによって引き起こされる病気には、片頭痛、円形脱毛症、過敏性腸症候群、うつ病、メニエール病などが挙げられます。ストレスは主に自律神経、内分泌系、免疫系を介して症状が現れ、慢性的に作用する事で機能的な障害を引き起こしてしまいます。こういった症状を心身症といって、薬物による治療や生活習慣の改善を進められることが多い一方で、ストレスを軽減させる環境調整や精神療法も有効とされています。

また自律神経の機能を高めるためには、リラクゼーションや運動を取り入れることがより効果的だと言われていて、積極的に運動療法を推進する医師も増えてきました。予防医学の観点からも、病気になってから治療を始めるのではなく、ストレスが身体を蝕む前に対処を行い、効率的に解消することが大切です。定期的な運動は医学界でも重要視されているのです。

運動療法は、病気の予防にも大きな役割を担い始めています。前述の通り、運動によって得られるストレス解消効果には、身体を動かす事で血行を良くして疲労回復を図ることはいうまでもありません。ウォーキングやジョギングなどで屋外に出ることは、日光を浴び
ること、外の空気に触れることになりますので気分転換になり、精神疲労の回復に繋がります。

ストレス解消に有効な運動とは、ハードなトレーニングで筋肉を鍛えることに重きをおくものではありません。ジムやサロンで普段と違う人たちと接することも運動による副産物の一つです。空中ヨガやピラティスなども効果的であり、身体の柔軟性を向上させていく
運動にはリラックス効果があり、精神的にも肉体的にも身体をリセットすることにつながります。これらは健康とやる気を取り戻すことにも効果的です。運動はストレスを解消するだけにとどまらず、ストレスによって引き起こされる病気を未然に予防する効果が実証されています。残念ながら、すでに何らかの病を発症してしまった場合でも生活習慣として根気強く運動を続けていけば、その症状が軽減され、治癒に向かう事も期待されているのです。

ストレス軽減につながる運動法


ストレスを解消するためには、一定のリズム感で全身を使う有酸素運動を定期的に行うことが、最も有効だと言われています。有酸素運動とは、低から中程度で長時間行うことが出来るということで、早歩き程度のウォーキングやジョギング、水泳、ヨガなどがその代表格です。

しかし、運動強度が強すぎると、その疲労感でかえってストレスを増幅させることになります。ストレス軽減を求めるのであれば中程度までの運動強度に抑えて、週3日以上1日30分程度続けることを心がけてください。なぜ30分以上必要なのかというと、ベータエンドルフィンという脳内ホルモンは別名「脳内モルヒネ」と言われる物質と大きく関連Sます。ベータエンドルフィンには痛みの緩和や幸福や快感を感じる作用があると言われています。このベータエンドルフィンは、運動を始めて一定時間経過しないと分泌されないため、30分以上の継続が求められているのです。

一方、外出することが困難である場合、時間を割くことが出来ない場合には、ストレッチがおすすめです。ストレッチは、広い場所や道具を必要としないので、仕事や家事の合間に行うことができます。椅子に座ったままで肩を回すこと、立ったついでに腕や足を伸ばしたりすることで、筋肉の緊張をほぐし、血流をよくすることが出来ます。

身体を動かすのが苦手な人は、ストレス解消のためといわれても運動しなければならないことがプレッシャーになって、新たなストレスに繋がるかもしれません。自分の性格や生活スタイルに合った方法を見つけるのが良いでしょう。たとえば1駅手前の駅で降りて30分のウォーキングをする際には、ストレス軽減の運動とだけ捉えずに「ダイエットになる」「ジム代が浮いた」と考えると、その他に得られるメリットを挙げていくとよいでしょう。

「ちょっときつくなってしまったワンピースを今年は余裕で着こなそう」などの具体的な目標は強い原動力になります。運動をもっと気軽に日常生活の一部として捉えることができたら、ストレス自体も軽減されるのかもしれません。

そもそもストレスとは何であるかを考えた時、通常とか一般的にという言葉が使われることに、違和感を感じています。なぜなら、生まれた時代や生活環境や生活スタイルによって受けるストレスはそれぞれ違っていて、同じ事象に対しても受けるストレスの種類やダメージの強さも人によって違うからです。しかし、どのストレスに対しても運動は共通の解消法であるようです。ストレスを完全になくすことはできなくても、日常的に適度な運動を心がければ、ストレスは解消され、疲労しにくい身体を作り、病気の予防にまで繫がるのです。自分が無理なく長く続けていける運動は心身共に有効であり、ストレスを軽減してくれるベストな方法だと言えるでしょう。

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