疲れの解消、健康、美容など、あらゆる面で重要となる睡眠は、人間にとって不可欠な存在です。性欲、食欲と並ぶ三大欲求にも数えられていることからも、その重要性が窺えます。そのため寝つきが悪い、しっかり眠れないとなると、体のバランスを崩しやすいです。またそうした状況が一定の度合いを超えてしまうと、病気の症状として分類されることもあります。それが、不眠症です。たかが眠りとはいえ、障害のひとつにも数えられており、軽視できる存在でもありません。今回はそんな不眠症の防止や対策に役立つ情報を幅広くまとめました。不眠症は、怪我や目に見えて分かる症状でもないので、つい目をそらしがちかもしれません。健康のため、そして日々の快適さを維持する上でも、不眠症についての知識を深めていきましょう。

不眠症ってどんな病気?

不眠症と聞いてみなさんはどのような状況を思い浮かべますか。眠りに関するトラブルをあげていくと寝つきが悪い、眠りが浅い、まったく眠れない、もしくは悪夢を見るといった内容も想像できます。しかし、不眠症には病気の症状としての明確な定義が存在するため、眠りに関するトラブル全体につかえる意味合いで使われている病気名ではありません。

不眠症は、医学的な分類として主に3種類に分けられます。原発性、二次性、そして併存の不眠症といった具合です。まずひとつめの原発性不眠症については、主だった原因が存在しない不眠症を指します。精神的な不調や薬品摂取、もしくは環境が影響しているなどといった、不眠に繋がる要素を伴わないにもかかわらず、不眠症状が見られるといった具合です。原因が分かれば対策もしやすいといったところですが、原発性についてはそれができないため、改善が難しいとされています。

二次性不眠症は、明確な原因が伴う不眠症です。主には、身体疾患・精神障害・薬物使用といった原因が代表的となっており、このような理由から、服薬機会の多い高齢者で病気を抱えている方は特に多いといわれており、60歳以上であれば約3人に1人が悩みを抱えているほどだそうです。しかし原因がわかっているため、二次性不眠症の治療時にはこれらへの対策が行いやすいです。二次性不眠症が高齢者に多くみられるとはいえ、若い世代は安心かといえば、決してそうでもありません。娯楽薬や処方薬、さらにはコーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインが原因となる不眠症も二次性不眠症に含まれるためです。そのため寝つきが悪い方や眠れないといった悩みを抱えている方は、娯楽薬や処方薬、コーヒーやエナジードリンクなどの摂取量をコントロールすることで改善できる可能性があります。

3つめの併存タイプですが、こちらは上記2つの原因が併存した不眠症を指します。不眠症という言葉、病名は有名ですが、これら3タイプに分かれることはあまり知られていないことでしょう。大切な睡眠の質を大きく左右する症状となっています。

不眠症の内容に関するタイプ分けを知る

前述では不眠症そのもののタイプについて紹介しました。ですが不眠症を知る上で、もうひとつの分類も知っておくとより理解しやすくなります。それは、不眠症の内容におけるタイプ分けです。不眠と一口にいっても、さまざまな状況が考えられますが、この分類に当てはめれば、自分の不眠症がどのようなタイプであるのかを簡単に把握できます。

入眠困難というレベルはしっかり眠ることはできるものの、入眠までに時間がかかるといった症状です。具体的な時間としては、床に就いてから30分~1時間以上かかる場合です。

次に、中途覚醒です。眠りに就けはするものの、翌朝起床するまでの間に目が覚めてしまうというものが中途覚醒となります。また一度に限らず、複数回にわたって目覚めるといったケースもこの中途覚醒に該当します。実際眠れてはいるものの眠りそれぞれの質が悪くなりやすいため、疲れやストレス解消をあまり期待できません。

入眠時、夜間の次にくるのが、早朝覚醒です。入眠時、就寝中はぐっすり眠れるものの、朝などの予定起床時間よりも早いタイミングで目が覚めてしまうというものです。夜はしっかり眠れても、結果的な合計睡眠時間は少なくなるため、やはり上記までと同じく十分なリフレッシュにはなりにくいです。時間の基準としては、予定起床時間の2時間以上前に目が覚める場合を指します。また一度起きてしまうとその後再度眠りたくても眠れないという特徴も伴います。

そして最後が、熟眠障害です。入眠、夜間、起床時間といずれも正常ではあるものの、睡眠の質が悪く心身のリフレッシュが不十分といったタイプです。いわゆる、熟眠できていないという状態です。感覚的にも、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られないといった気分を味わうことでしょう。

以上、4つが主な不眠症のタイプです。どれかひとつだけでなく、複数同時に現れることもあります。的確な改善法を駆使して、快適な眠りを取り戻しましょう。

不眠症が起こる原因とは

前述の通り、不眠症には原発性と二次性、そして併存性の2種類に分けられます。そして中でも改善策を検討しやすいタイプとして、二次性不眠症が挙げられます。二次性不眠症は原因さえ分かれば、それを改善すれば良質な睡眠を取り戻せる可能性は高まるためです。二次性不眠症で考えられる要因についてみていきましょう。

まず、環境に関する原因です。環境に関する原因としてわかりやすい例として海外旅行による時差をあげることができるでしょう。海外へ行くと、時差に伴い日照時間の違いが感じられます。その国では当たり前の状況であっても、体はその感覚に慣れていないため適応が難しくなります。その結果、体内時計のバランスが乱れて眠りにくくなることがおきます。またその他にも、気温や騒音、明るさ、その他寝具が変わるといった環境変化などもこれに該当します。

次に、身体的要因が不眠症を引き起こすケースです。年齢や頻尿、その他病気による痛みやかゆみから寝つきが悪くなるケースです。ひとつめの年齢は、加齢による早朝覚醒が有名です。頻尿もまた高齢者に起こりやすい症状となります。

3つめは、精神的要因です。悩みを抱えている、心配事がある、緊張、睡眠への過度なこだわりなどが熟睡を妨げます。これについては、すぐ解決できない場合も多いので、不眠症の改善もまた少し難しくなることでしょう。そのため専門医に相談し、睡眠導入剤を処方してもらう、快眠効果が期待できる寝具を取り入れるといった方法などが有効です。

そして最後に、生活習慣が起因して不眠症を発症するケースです。お酒によるアルコール、タバコのニコチン、コーヒー等に含まれるカフェインは、不眠の原因となります。これらを摂り過ぎる、もしくは睡眠の直前に摂るなどすると、より一層症状が起こりやすくなります。量の調節やタイミングを工夫してみましょう。またその他、薬の副作用や運動不足が原因となって起こる不眠症もこのタイプに含まれます。

不眠症は、他の障害と比べそこまで重要度を感じにくいかもしれません。しかし、複数のタイプが併発するともなると、睡眠の質は極端に低下して健康を害することになります。疲れの蓄積を感じたら、早めに対策を検討するべきでしょう。自分がどのタイプに当てはまるのか、また二次性不眠症であれば、何が原因となっているのかを考えて、必要であれば専門機関に相談するなどしてみてください。

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