パニック障害の症状と対処法

パニック障害という病気を知っていますか。テレビや雑誌などで有名な人などが、過去にパニック障害にかかったことがあり、それを克服したという話などを聞くこともあります。ではパニック障害になると、どんな症状が出てしまうのでしょうか。また、どのように対処していけばよいのでしょうか。パニック障害というのは、初めは自分では病気だと気づかない場合も多いようです。
しかし、パニック障害は症状がだんだん悪化してしまうと、他の病気にもなってしまう可能性があるようです。症状と対処法をしっかり理解して、自分や周りの人の健康を気遣いましょう。

パニック障害とは

パニック障害の症状としては、突然の激しい動悸、息苦しさ、発汗、ふるえ、めまいがあります。それと同時に、「死ぬのではないか」というひどく不安な気持ちになります。このような症状は発作として、10分から1時間ほど起きておさまりますが、初めての場合「何の病気なのかわからない」と心配になることが多いです。病院で血液検査や心電図を診てもらっても、そのときには発作がおさまっており、異常も見られません。

しかし、パニック障害の場合には、このような発作が繰り返し何度も起こるため、「何でもないのか」「気のせいか」と思っていても、いつしかパニック障害であるということがわかってきます。そして、発作を繰り返すうちに、「また発作が起きるかもしれない」「発作がおきたらどうしよう」と常に不安な気持ち(予期不安)になってしまいます。やがて人が大勢いるような場所に行くと「発作を起こして、周りに迷惑をかけてしまうかもしれない」「恥ずかしい思いをしてしまう」といった恐怖感におそわれたり、以前に発作を起こした場所に行くのがトラウマになってしまったりするのです。これを「広場恐怖、外出恐怖」と言います。

このような症状が続いてしまうと、人が大勢いる場所に行くのがおっくうになってしまい、引きこもりがちになってしまったり、学校や職場などに行くのが怖くなってしまったりと日常生活にも影響を及ぼしてしまう可能性がでてきてしまいます。パニック障害の原因としては、脳内の神経伝達物質との関わりがあると言われています。恐怖や不安を感じてしまうノルアドレナリンと興奮抑制作用のあるセロトニンとの調和が保たれなくなることにより、発作が起こると考えられています。しかし、まだパニック障害の原因ははっきり解明されていません。パニック障害はある日突然、自分や身の回りの人も発作が起きてしまう可能性があります。

パニック障害を治すには?

では突然パニック障害の発作が起きた場合、どうすれば良いのでしょうか。通常の病院で診察をしてもらった場合、大抵は異常なしと言われますが、決してそのままにしてはいけません。発作が繰り返されるのであれば、すでにパニック障害にかかっているかもしれないからです。

パニック障害の診察、検査には心療内科や精神科の受診が必要です。パニック障害と似ている病気に、過呼吸や甲状腺疾患があるため、病状を詳しく検査するためには問診以外にも血液検査、心電図検査、レントゲン検査も行ってもらいましょう。パニック障害の診断で使う問診は、アメリカで考え出された基準によるものです。パニック障害で現れる13のチェック項目があり、その中から4つ以上当てはまった場合に、治療をしていくことになります。

パニック障害の治療は、まず薬物療法から行われます。パニック障害は、ノルアドレナリンとセロトニンのバランスが崩れることによって起こると考えられているため、それを改善させることが治療の第一歩とされています。セロトニンを増やす働きのある薬(SSRI)が投与され、一般的に効果が感じられるまでに2、3週間かかるようです。そのため、焦らずに少しずつ対処していかなければなりません。その他、抗不安薬や抗うつ剤を使います。いずれの薬も吐き気や眠気などの副作用があるので、しっかりと診察をしてもらって、様子をみながら投与していきます。SSRIは、1週間ごとに少しずつ薬の量を増やしていき、発作が抑えられる量で内服を続けます。パニック障害の症状がおさまっていることがわかれば、また少しずつ減らしていき最終的に薬なしで生活できるようにしていきます。

続いて、心理療法を行います。心理療法は二つあり、一つは認知行動療法と呼ばれるものです。誤った認知を正しい認知に戻していくための方法で、人が多い場所に行くのが怖いという人の場合、「人が多い場所に行くのは怖くないんだ」という認識に変えていけるようにします。もう一つは、自律訓練法です。これは自らで心と体の状態をリラックスさせる方法を身に付けるものです。発作がおきたらどうしよう、という不安や恐怖で緊張状態にあることが多い患者さんに対し、緊張をほぐしていくことが主な目的です。

パニック障害を再発させない対処法とは

パニック障害の治療をしていくのには、2、3年かかると言われています。医療機関での治療を受けるだけでなく、パニック障害を再発させないように自らも生活習慣を整えることが必要です。まずは栄養バランスを整えた食事を行っていきます。栄養バランスが乱れると、体の健康だけでなく、脳内のセロトニンにも影響を与えます。糖分の摂りすぎや、ジャンクフードの食べすぎは低血糖になる恐れがあり、パニック障害の誘因となるかもしれません。栄養バランスが偏らないようにしましょう。

次に、規則正しい生活です。規則正しい生活を送ることにより、心身ともに健康になれます。睡眠不足や過労、風邪、二日酔い、夏の暑さといった生活の乱れにつながるものはパニック障害を引き起こす可能性があります。また、軽い運動をすることも効果的です。少し汗をかくほどの有酸素運動をすると、体内に乳酸が程よく溜まってパニック障害の悪化を防ぐことができます。代表的な有酸素運動はジョギング、水泳などです。無理のない範囲で、気分転換に運動できる時間を設けると良いでしょう。

さらに、パニック障害の再発予防対策としては嗜好品についても注意が必要です。お酒やタバコに含まれるアルコールやニコチンは、不安を抑えてくれる作用がありますが、それは一時的なもので、すぐに反動で病状が悪化してしまいます。これまで飲酒や喫煙の習慣があった方は、急に禁酒、喫煙をするとなるとストレスになってしまうので、医師と相談してどうすべきか考えてから決めてください。コーヒーに含まれるカフェインもパニック障害を引き起こす可能性があるので、摂りすぎに注意しましょう。

以上のように、生活習慣を整えていくためには、自分だけではなかなか難しいものです。そのため家族などの身近な人にも頼り、再発させないように協力してもらうことも大切です。病気を理解してもらい、よりよい生活が送れるようにしましょう。

そして、最も重要なのが治療、投薬などを自己判断でやめないことです。治療を続けていき、生活習慣が整ってくると、「もう治ったんだ。大丈夫だ。」と感じてきます。そこで勝手に薬を減らしたり飲むのを辞めたりすると、再発をしてしまいます。せっかく長い期間治療してきたことが水の泡になってしまうので、最後までしっかりと治療を行いましょう。

パニック障害とは、誰にでも起こりうる病気です。軽い発作だと思ってそのままにしていても、繰り返す発作はおさまりませんし、次第に悪化してしまう可能性もあります。外出するのが怖くなり、日常生活が送れなくなってしまうことで、うつ病などを併発してしまうこともあります。パニック発作かもしれないと感じたら、まずは精神科や心療科に行って、一度しっかりと検査をしてもらいましょう。
パニック障害の専門機関では、適切な治療方法を指示してもらえます。治療は長期戦になりますが、周りの人に理解をしてもらい、焦らずに少しずつ進めていきましょう。そうすれば、必ず回復することができるはずです。

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