ネット依存症とは

現在ではパソコンだけではなく、スマートフォン、その他タブレットなどの端末でインターネットに接続することが可能です。スマートフォンの普及により外出先や移動時間でも簡単にインターネットをおこなえるネット環境が整ったことにより、日常的にネットを利用する人が増えました。ネット利用者が増えたことと、ネット利用する時間が増えたことによって、ネットに依存する人が増えてきているといわれています。今回は常日頃からインターネットを行っていないと落ち着かない、常にインターネットのことばかり考えてしまうネット依存症について紹介していきます。

依存症とは なぜネット依存症になるのか ネット依存症のステージについて ネット依存症を改善する方法

依存症とは

特定非営利活動法人アスクでは、「依存」「依存症」の意味を次のような言葉で表現しています。
「何かの習慣的な行動が、自分の生活や人生にダメージを与えているのに、意志の力ではそれがやめられない状態のこと」

また、厚生労働省はホームページ「依存症についてもっと知りたい方へ」で、依存症の種類には大きく分けて「物質への依存」と「プロセスへの依存」の2種類があるとしています。
・物質への依存
アルコールや薬物といった精神に依存する物質を原因とする依存症状のことを指します。
依存性のある物質の摂取を繰り返すことによって、以前と同じ量や回数では満足できなくなり、次第に使う量や回数が増えていき、使い続けなければ気が済まなくなり、自分でもコントロールできなくなってしまいます(一部の物質依存では使う量が増えないこともあります)。
・プロセスへの依存
物質ではなく特定の行為や過程に必要以上に熱中し、のめりこんでしまう症状のことを指します。
特定の行為や過程とは、主なものとしてインターネット、ギャンブル、株や先物取引、ゲーム、スマホ、パチンコ・パチスロ、買い物、セックス、万引き、リストカットなどがあげられます。


なぜネット依存症になるのか

ネット依存症は、特に過剰にネットをしていたわけではないのに気がついたらネット依存症になっていたというケースが多いようです。ネット依存症のプロセス依存は特定のことにハマることで、別のことには全く興味を持たない、他のことはしたくなくなるという傾向にあります。例えば仕事に行きたくなくなる、学校に行きたくなくなるという症状が一般的です。

ネット依存症になる原因はさまざまですが、対人関係がうまくいかないことが主原因にあげられることが多いようです。対人関係がうまくいかないと、人と接するのが嫌いになり、家に閉じこもりがちになり、インターネット上で提供されるさまざまなコンテンツを見ることに1人で没入してしまったり、特定の趣向や主張など自身1人でコンテンツを配信することにのめり込んでしまったりするケースなども見受けられます。また、周りの同調圧力などでしかたなく長時間利用しているうちに、依存症に陥ってしまったケースもあるようです。もちろん対人関係以外にも、インターネット上で提供されるサービスが面白くて止められなくなるという人もいます。

ネット依存症のステージについて

依存症にいたる経過について、その変化を5つのステージ(段階・時期)に分けて理論モデル化した研究者によって、「依存症の変化のステージモデル」と言われることもあります。このステージは、症状が悪化していくステージではなく、「このままではいけない」と気がつくステージです。ネット依存症も同様に5つのステージに分けることができます。
・最初のステージ
無関心期と呼び、普通にネットを利用している人と変わりがないので、自分で依存症だと気がつくことも、周りの人にネット依存症なのではと言われることもないでしょう。
・2つ目のステージ
関心期と呼ばれており、自分自身でも依存症になってきていると気が付くこともあります。家族からインターネットのやりすぎを注意されることもあるでしょう。
・3つ目のステージ
準備期と呼ばれるステージにくると、「このままではいけない」と自分でも気がつき始めます。この段階でネット依存症に対して何か対策を考える気持ちが生まれることもあり、自分で治療方法や改善方法がないか検索を行うこともあるでしょう。しかし準備期では、自分がネット依存症なのではないかと疑いがあるものの、自覚が強くないので実際にネット依存症に関する専門機関へ相談をしたり医療機関を受診したりという決断ができない状態であるといわれています。
・4つ目のステージ
実行期と呼ばれ「自分はネット依存症である」との自覚が生まれるといわれています。そしてネット依存症改善に向けた行動に出る人も多く、実行期でネット依存症を改善しようと専門機関などに相談などの行動をすることで、克服できる可能性は高いといわれています。
・最後のステージ
ネット依存症の改善に向けたアクションを行うことによって、改善の兆しがみられたら、5つ目のステージ維持期に入ります。この時期にネット依存症に戻らないように努めていると、ネット依存症は改善できるとも言われており、重要な時期であるといえます。


ネット依存症を改善する方法

インターネットで提供されるさまざまなサービス(SNS・動画など)には、そのサービスへの過剰なのめり込みによる依存症は、「他に楽しみがみつかれば治る」などという楽観的な見方もありますが、「依存症は、糖尿病や高血圧のような慢性疾患といわれています。」ネット依存症には、ネットの長時間利用にともなう他の必要な活動に支障をきたすリスク、ネット上の活動による気分の変化の大きな揺れによる集中力や運動能力の低下などがおこるリスク、さらに言えばインターネットで知り合った第3者との間で犯罪に巻き込まれたり、犯罪に関与してしまったりするリスクもあります。ネット依存症のリスクは小さなものと考えないで、対処したほうが良いでしょう。

ではどうすればネット依存症は改善させられるのでしょうか?
自分の気持ちを言える場所がなかったり、1人で抱え込んだりするのが一番危険です。ネット依存症を改善するためには、家族や周りの人、カウンセラーや医師などの協力を得て、孤立しないようにすることが大切です。初期の段階であれば、親や兄弟などの協力により、ネット依存症を回復に持って行くこともできるのですが、ある程度症状が進んでしまうと親や兄弟を避けてしまうことも増え、周りの人間が協力したくても出来ない状況になります。そのため、このような状態になってしまった場合には、専門家であるカウンセラーや医師の力を借りることが必要となります。現在ではネット依存症の専門外来というのが存在しているので、このような医療機関に相談するのがよいでしょう。

ネット依存症にはいろいろな種類があり、外にはよく出るけど、常にスマートフォンなどでインターネットを閲覧しているという、ネット依存症の人も多いと言われています。このような場合、ネット以外の事に興味を示さないだけではなく、仕事や勉強などにも身が入らず、常にインターネットのことを考えているネット依存症の人もいます。もちろん、部屋に閉じこもってパソコンでインターネットばかりやっているパターンも多いです。このような場合、ネット依存症だけでなくは引きこもりの症状も合わさっているため、部屋から出ようとせず、親に頼って生活していることが多いようです。

これらのようなネット依存症に対する主な解決方法としては、無理にネットに接続するツールを取り上げてしまうのではなく、一緒に散歩や旅行などインターネットに触れない環境に連れ出してあげて、インターネット以外のものに興味関心を向けてもらうように努めます。またネット依存症の悪化を防ぐために、止められないことを責めたりしないで家族できちんと話し合うことが必要であり、ネット依存症の人にしっかりと気持ちを伝えることが有効といわれています。

このように家族や周りの人間がネット依存症回復のために努めても、ネット依存症が改善しない場合には、適切な接し方を知っている専門機関に頼りましょう。地域にある保健所や精神保健福祉センターといった専門の行政機関に相談する方法があります。いづれにしても、本人に対してどのような対応をすればいいのか、家族自身のストレスを軽減するにはどうすればいいのかなど、きちんとした知識を得ることは非常に大切です。そのために専門機関で正しい対処法を聞くことは決して恥ずかしいことではありません。自分達だけで悩まず、勇気をもって専門の機関に相談しましょう。

記事 メンタルヘルスコンディショニング講座講師・佐々木幹

佐々木幹

佐々木幹メンタルヘルスコンディショナーⓇ

投稿者プロフィール

株式会社スマイルエデュケーション3代表取締役
一般社団法人ハッピーライフカウンセリング協会代表理事

大手民間スクールで約30年間スクール経営に携わり、販売マーケティングを皮切りに、商品開発室、教務室、学務室、通信教育センターの各部門責任者を歴任

現在は、自身が企画したメンタルヘルスコンディショニング通信講座の資格(メンタルヘルスコンディショナー)を取得し、「Live」「Love」「Smile」をかけ合わせた造語『LiLoveS』をコンセプトとしたハッピーライフカウンセリング協会と、学ぶすべての方の笑顔を目指すSmileCom(スマイルコム)のスクール運営を行う一方で、当サイト(メンタルヘルス情報サイト)の記事執筆を手掛けている。

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