うつ病は、自分では気づかないうちになっていることも多い病気の一つです。自分から病気の経験を口にする人は多くないので、うつ病の存在を身近に感じる人は少ないと思います。しかし、うつ病は意外と患者数も多いと言われています。あなたの周りに、現在もうつ病と戦っている人や治療を受けた経験のある方がいるかもしれません。では、うつ病はどのような症状が現れ、なぜかかってしまうのでしょうか。もし、自分や周りの人がかかってしまった場合どのように対処すればよいのでしょうか。うつ病はしっかりとしたメンタルケアを行えば、改善させることが可能です。うつ病とメンタルケアについて一緒に考えていきましょう。

うつ病はなぜかかってしまうのか

うつ病とは、何か特別なことがあったわけでもないのに、気分が憂うつになってしまったり、心が落ち込んだ状態になったりしてしまう病気のことを言います。別名「心の風邪」とも言われており、やる気が出ない、眠くなってしまう、すぐに疲れてしまう、体がだるいなどの本来の風邪と似たような症状が出る人もいます。うつ病は誰でもかかってしまう可能性があるため、決して特別な病気ではないということを心に留めておくと良いでしょう。

近年はストレス社会と言われているように、わたしたちはさまざまな場所で、日々いろいろなストレスにさらされています。うつ病と診断される理由は人それぞれで異なるため、はっきりとした原因はわかっておりません。ストレスがどれくらい負荷になってくるかは、その人の性格によって変わってきます。ある人にとっては苦痛に感じているかもしれませんが、別の人ではそれほど苦痛に感じない場合もあるでしょう。たった一つのことが、うつ病を引き起こす要因となることもありますし、さまざまなことが複雑に絡み合ったがために発症してしまうこともあります。

ストレスと感じてしまう主な原因は、職場での人間関係、仕事におけるトラブル、家庭のことや、健康や病気のことなどが挙げられます。はじめにも説明した通り、うつ病にかかってしまう理由は多種多様であるといえます。うつ病にかかり、重症化してしまわないようにするためには、メンタルケアが欠かせません。まずはセルフケアという、自分自身で心の状態について考えてみましょう。心の健康、ストレスへの対処法などについて知識を持つことで、病にかかってしまうことを防ぐことができます。

うつ病による精神への影響とは

ではうつ病になってしまった場合、精神ではどのような影響が出るのでしょうか。よく知られていることが、気分が落ち込む、やる気がなくなるといった症状です。その他にもさまざまな変化が現れます。ぼーっとすることが増える、悲観的になる、物事に対する興味や関心がなくなる、というように何かがあったわけではないのに常に悩みを抱えているような状態になってしまうのです。

また、不安や焦り、イライラ感、集中ができず仕事などでミスが増える、といった影響も出てきます。症状が出れば出るほど自己嫌悪になってしまう原因になりますし、自分がうつ病になっているという認識ができていない場合は、さらなる悪循環に陥ってしまうかもしれません。仕事の仲間や上司には、病気についてなかなか理解してもらえず、怒られたり責められたりして、ストレスがなかなか減らないこともあります。今までは楽しめていたはずの趣味なども楽しめず、嬉しいという感情が出なくなってしまい、その分お酒の量が増えてしまう方もいます。

これまでに挙げた精神への影響は、いくつもの症状が出る方もいますし、どれかが強く出る方もいるのです。そして、精神への影響だけでなく、身体へも症状が出てきます。うつ病は心の病気ではありますが、身体への影響も知っておかなければなりません。その一例を挙げると、頭痛、耳鳴り、めまい、不眠・過眠、食欲不振・過食、腰痛、下痢・便秘、腹痛、肩こり、生理不順、性欲減退・勃起不全などが挙げられます。そして、そこから退職、社会からの孤立、最悪の場合には死を選んでしまう人もいるのです。

このようにうつ病にはさまざまな症状があり、特徴的な型によって分類することができます。先述したような、一般的なうつ症状が出る場合をメランコリー型と言い、特定の季節になると症状が出て、季節が変わるとともに回復するのを季節型と言います。短い期間で回復するので、いいような気もしますが、毎年繰り返し再発をするので、非常につらいものです。

他には、最近特に注目されている産後型があります。妊娠出産により、ホルモンのバランスの変化があり、分娩や子育てでの疲労、授乳などによる寝不足などが要因となっているようです。

うつ病になったら行うべきメンタルケアとは

うつ病から回復するためには、メンタルケアを行っていく必要があります。メンタルケアというのは、精神的な健康状態を保つための治療のことです。メンタルケアは大きく分けると4つのケアがあります。

1つ目はセルフケアと言い、自分自身で自らの精神状態を理解することで、ストレスを受けている状況、自分の現在の精神の状態をしっかりと自分で知り、対処をしていきます。自分でうつ病だと認めるのはなかなか難しいかもしれません。しかし、自分で気づき、誰かに相談したり、病院へ出向いたりなどの対処ができれば、回復も早いでしょう。

しかし、自分では気づかずに悩み、苦しんでいる人も多くいます。そこで、2つ目のメンタルケアであるラインケアが必要となってくるのです。ラインケアというのは、職場であれば同僚、上司が常に職場の労働環境に気を配り、何か問題はないか把握しておくことから始まります。職場環境に問題があれば、改善のために手をつくすことが必要です。

労働者たちに異変がないか、様子を伺うことも大切です。ただ見るだけではなく、話をして相談を聞いた方が得策です。自分から、上司へ相談するというのはなかなか勇気が出ずに出来ない人も多いので、上司自らが部下に話しかけて聞くようにしましょう。ただし、公で聞くのではなく、個別に話を聞くなど、プライバシーにも配慮します。定期的に対話の場を設けるようにするといいでしょう。既にうつ病にかかってしまって休養している人がいる場合には、職場復帰に向けた支援もしなければなりません。

3つ目のメンタルケアは、事業所場内産業保健スタッフによるケアです。これは、産業医、衛生管理者、保健師などの専門知識を持ったスタッフや人事労務担当者が行います。メンタルケアに関する情報や知識を労働者に対して提供する場を設けるというものです。ストレスやメンタルケアに対する知識を与えることで、うつ病を未然に防ぐことができます。またうつ病になってしまった場合も、より気づきやすくなります。

4つ目のメンタルケアは、事業所外のケアです。メンタルケアに関する知識を得る研修やうつ病にかかった職員の職場復帰の支援などは、事業所内だけでなく、事業所外の機関に依頼するのも良い方法です。企業はこれら4つのメンタルケアを定期的にかつ持続的に行うことが求められています。

うつ病になる原因は多岐にわたり、人それぞれ異なります。誰がうつ病になってもおかしくないのが現状です。健康な状態のときから、うつ病というのはどんなものなのか、メンタルケアはどう行うものなのかといった知識をしっかり身に付けておくことが大切です。そうすれば、自分や周りの人の様子がいつもと違うのではないかということに、いち早く気づくことが出来ます。うつ病であることがわからずにそのまま過ごしていると、精神状態だけでなく身体状態までにさまざまな影響が出てきます。したがって、異変に気づき、できるだけ早くメンタルケアを行うことが回復への近道と言えるでしょう。

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